美しい外観。こだわりの詰まったワイナリー・奥野田葡萄酒醸造所
山梨県は日本一ワイナリー数とワイン生産量が多い県。甲州市内だけでも45ワイナリー(2023年時点)存在します。甲州市は勝沼エリアと塩山エリアの2つに分かれており、勝沼エリアは100年続く老舗ワイナリーや観光バスが訪れる大規模なワイナリーや家族経営の小さなワイナリーが数多く点在し、歩いてワイナリーのはしごができるような地域もあります。塩山エリアは個性豊かで、存在感光るワイナリーが多く、エリアに点々とワイナリーがあり、ゆったりと巡ることができます。その塩山エリアの中でも、一際目立つ、美しい外観のワイナリー「奥野田葡萄酒醸造所」。自社農園での栽培方法からワイン造りまで、そのこだわりを中村氏にお伺いしました。
ワイナリーで一番歴史あるぶどう畑、自社農園日灼圃場「HIYAKE VINEYARD」
我々がワイナリーへ訪問したのが2月中旬。冬は樹液が止まり、葉が落ち、樹だけの状態になっています。
(この時期のぶどう畑を見ると、本当にここからぶどうが生まれるのだろうか?と思ってしまう)
こちらのぶどう畑では垣根栽培を採用。その理由をお伺いしました。
中村氏:「この畑ですが、「HIYAKE VINEYARD(ヒヤケヴィンヤード)」と言いまして、私達の畑の中で一番古い畑なんです。97年に植え付けをしているので樹齢としては26~27年ぐらい。よくよく見ると、木めっちゃちっちゃいじゃん!って思われると思うんですけれども、これは10年経っても20年経っても、この先ずっとこの形にこの時期は戻ります。ぶどう畑ってこの辺だと棚の畑が一般的だと思うんですけれども、棚の畑ってもっと1本の木が太くってブドウの枝も広く張り巡らせて、大体1本の木から200キロぐらいのぶどうを採るんです。逆に垣根の栽培っていうのはブドウの木と木を密植させて植えることによって、ブドウの木が横に根っこを伸ばせず、下にしか根っこを伸ばせないで大きくなることができないので、その分強く実を熟すっていうことが特徴的な畑になります。食用のブドウってみずみずしさとか、甘さとかジューシーさとかいろんな要素の美味しさがあると思うんですが、ワイン用のブドウっていうのはとにかく凝縮感というのが一番重要になってくるので逆にみずみずしさっていうのがちょっと邪魔になってしまうんです。そこで一番適した栽培方法っていうのが垣根のブドウ栽培となります」。
壮麗で静寂な空間でのワインテイスティングはとても贅沢な時間。
ブドウ畑からワイナリーに戻り、念願のワインテイスティングタイム。ワイナリー内は天井が高く開放的な空間で、アートギャラリーのような一室。大きな窓から見えるブドウ畑の景色もいい。そんな空間で綺麗な味わいのワインをテイスティングしながら、ワイナリーマダムにこだわりのワイン造りのお話を伺うひと時もまた贅沢でした。
今回テイスティングしたのは下記3銘柄。
・2022アネモネ シャルドネ
・2022アネモネ カベルネ・ソーヴィニヨン
・2023 ラ・フロレット ローズ・ロゼ
奥野田ワイナリーのワインはデザインも美しいですが、ワイン自体も色も味わいも綺麗。そのワイン造りの秘密のひとつに、搾汁機に特徴があるとのことです。
中村氏:「搾汁機を変えたことで、ワイン造りがすっごく変わってきていて。例えばバルーンプレスや、バスケットプレスは押して絞る、というのがワイン全体的には主流だったのですが、今回私達が導入した搾汁機は、バキュームといって、葡萄から果汁を吸い上げるという考え方なんです。空気に触れないので酸化防止剤などあまり使わずに済み、手を加えずにすごく綺麗な果実味が表現できます。また、ブドウの皮を痛めつけないので、果実味を表現しながら透明感をしっかり感じていただけるワインになっています」。
ラベルデザインもマダム作!こだわりがたっぷり詰まったワインを是非ご賞味あれ。
奥野田ワイナリーのラインナップは全体的に女性的な印象ですが、老若男女問わず幅広いファンに愛されています。多くの人を虜にしている奥野田ワイナリー。この端麗でキュートなワインを一度飲んだら、誰もが心奪われるはず!山梨のワイナリー巡りをするなら是非訪れていただきたいワイナリーのひとつです。
【ワイナリーINFO】
奥野田葡萄酒醸造所
■住所
〒404-0034 山梨県甲州市塩山牛奥2529−3
■アクセス方法
中央本線『塩山駅』よりタクシーで5分/徒歩20分
中央自動車道『勝沼IC』より15分
■営業時間
10:00~17:00(見学ツアーは事前予約制)
■定休日
水曜日
奥野田葡萄酒醸造所
山梨県甲州市塩山牛奥:奥野田葡萄酒醸造所(株)
奥野田葡萄酒醸造(Okunota Winery/おくのたぶどうしゅじょうぞう/オクノタブドウシュジョウゾウ)は、農家の高齢化と担い手不足のため醸造所を発展的に引き継いでいく方法を探していた中、当時、勝沼の老舗ワイナリーで働いていた、現オーナーの中村雅量(なかむらまさかず)氏に話が届き、中村氏が26歳の時に奥野田葡萄酒を取得。1989年に高い理想と情熱のもと、新しいスタートを切りました。小さいからこそできる丁寧なワイン造りをモットーに、自社農園を中心とした地域で栽培される糖度の高い良質なブドウのみを用いて、素材本来の味わいを生かしたワイン造りをおこなっています。
▼「奥野田葡萄酒醸造所のアイテムリスト」はこちら
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