高度経済成長と共に需要が拡大、愛された高級品種。暑さ・寒さや病気にも強い、育てやすいブドウ。
ネオマスカット(Neo Muscat)は、日本で交配された品種です。岡山県の広田盛正氏により、アメリカの「マスカット・オブ・アレキサンドリア」と「甲州三尺」をかけ合わせて1925年に育成され、1932年に命名されました。マスカット・オブ・アレキサンドリアが温室を必要とするのに対して、ネオマスカットは露地栽培も可能。暑さ・寒さや病気、乾燥にも強く、育てやすいのが特長で、1950年代には山梨県でも栽培面積第3位を誇るほどの人気品種になりました。その後は、より粒が大きく皮まで食べられる「シャインマスカット」の人気により、栽培面積は減少傾向に。見かけることは少なくなってきましたが、昔ながらの美味しさを大切に栽培を続けている農家もまだまだあります。また、いくつかの交配品種の親としても使用されています。
マスカットならではの個性的な芳香が、ブレンドの素晴らしいアクセントに。日本ワインならではの面白さも味わえる!
かつては生食用にさかんに栽培されていたネオマスカット。もともとはワインの醸造には向かないブドウとも言われていました。しかし、近年活躍している、日本ワイン独自の道を追究しているワイナリーや、先入観に囚われない自然派のワイナリーなどは、自由な発想で身近にあるネオマスカットを活用。"マスカット香"と呼ばれる独特の香気は、ワインをブレンドするときのアクセントづけにもぴったりです。日本で交配された生食用のブドウを柔軟に取り入れるワイン造りは、日本ワインならではのもの。日本ワインラバーなら、ぜひ、あらためてネオマスカットの存在感にも注目してみては?
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ブドウ品種で選べば、日本ワインがもっと楽しくなる。日本固有種から欧州系品種まで、品種ガイドと、ワインエキスパートおすすめの銘柄を紹介します。
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