120年の時を超えて。登録有形文化財の発酵槽で造る、特別なワイン『石蔵和飲』ができるまで。

日本ワインの黎明期に想いを馳せて。世界中のどこにもない、希有な環境で造られるワイン。明治時代構築の、石造りの設備を使った珍しいワインが、山梨県・笛吹市のルミエールワイナリーにあります。老舗ならではの味わいと歴史に迫ります。

世界中でここにしかない!石造りの地下槽"石蔵発酵槽"と独自の製法で造られる『石蔵和飲』

『石蔵和飲(いしぐらわいん)』は、老舗・ルミエールワイナリーを代表する銘柄のひとつです。世界でも珍しい石造りの地下発酵槽"石蔵発酵槽(いしぐらはっこうそう)"が造られたのは、なんと120年前。日本ワインそのものの歴史と同じくらい古い、歴史的な建造物と言えます。さらに驚くべきことは、この地下発酵槽がいまだ現役で活躍している、ということ。スタッフの丁寧なメンテナンスによって、この石蔵は当時の姿を保ったまま大切に使われて、『石蔵和飲』という希有な銘柄を生み出しています。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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130年以上の歴史を持つ日本有数の老舗。『ルミエールワイナリー』とは?

日本ワインの草創期に誕生したルミエールワイナリー。創設されたのは、明治18年(1885年)のことです。当時は国策であった殖産興業の気運を受けて、江戸時代からブドウ栽培が盛んだった山梨県では、いくつかのワイン醸造所が誕生しました。そのうちのひとつが、ルミエールワイナリーの前身である『降矢(ふりや)醸造場』です。現存する中でも最も古いワイナリーのひとつで、大正7年に皇室御用達となり、昭和2年には昭和天皇御即位の御大典祝賀用に採用された歴史もあります。
創業後まもなくして造られた石蔵発酵槽は、1998年には国登録有形文化財に、2018年には日本遺産の構成要素(葡萄畑が織りなす風景)にそれぞれ認定されています。
現在でも自社畑でのブドウ栽培を続け、高品質のワインを生産。自社農園では雑草を生かした「草生栽培」、人工的に耕さない「不耕起栽培」による土づくりをしているのもこだわりのひとつです。さらに日本の固有種である甲州のワインが、海外に知られるきっかけを作るなど、日本ワインの発展に大きく貢献しています。最先端の設備を導入するのと同時に、明治期の石蔵発酵槽でのワイン造りを復活させるなど、さまざまな取り組みをしています。

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国の登録有形文化財。日本遺産の構成要素でもある『石蔵発酵槽』について深く知る。

石蔵発酵槽は、世界でも類を見ない非常に貴重な歴史的建造物です。ワイナリーが誕生した6年後、明治34年(1901年)に造られました。この石蔵は、扇状地である地形を生かした、日本で初めてのヨーロッパ型の地下発酵槽。当時は今のようなステンレスタンクもなく、日本酒を造るための樽を転用するなどしてワイン造りが進められていた中で、大量の仕込みができる強固な発酵槽は大変大規模なものでした。神谷傳兵衛(かみやでんべえ/現在の浅草・神谷バー、茨城県にある牛久シャトーの創設者)氏の指導を受けて、耐酸性に富んだ花崗岩(かこうがん)を採用。10基の槽が横に並び、地下通路が通っている構造で、地下水が通っているため天然の冷却作用もあるという画期的なもので、発酵槽一基の大きさは、幅1.65m、奥行3.6m、高さ2.25m。一基あたり10,000リットル以上の醸造ができ、大人数人が入っても充分に作業できる大きさでした。また、仕込みに竹製の"すのこ"を使っていたのも独自の工夫。石の発酵槽と竹の組み合わせによる独創的なワイン製造は、世界にも類を見ません。

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ステンレスタンクもない時代に画期的だった、地下発酵槽の技術と規模。製造の背景にあったのは鉄道輸送!

石蔵発酵槽は、10基で10万リットルのワインが製造できるという大規模なものでした。またこの地下槽は非常に優秀で、冷却器のない時代に、地下水による冷却効果を利用していたり、地中に設置することで温度変化の影響を受けにくかったりするなど、大量のブドウを安定して発酵させることができました。
このような大量の仕込みが必要になった背景には、まさにその当時、山梨県と東京を結ぶ鉄道が開通したということがあります。それまで輸送手段として馬車を使っていた醸造所は、一気に大量の製品を、素早く輸送出来るようになりました。大消費地・東京でのワインの需要もどんどん拡大。日本全体が活況を呈していた時代を、石蔵発酵槽は物語ってくれます。その後、より管理のしやすいステンレスタンクの普及や、輸入ワインの台頭によって、石蔵発酵槽はその役目をいったん終えましたが、1998年に国登録有形文化財に指定されたことを機に復活。現在は一基のみを丁寧にメンテナンスし、オリジナルの銘柄『石蔵和飲』製造のために使用しています。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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石蔵和飲は、大切に育てられたマスカット・ベーリーAの収穫から。

ルミエールワイナリーは、ブドウ栽培にも大変力を入れています。『石蔵和飲』の原料は日本固有種であるマスカット・ベーリーA。OIV(国際ブドウ・ワイン機構)に品種登録されている、日本ワインには欠かせない重要品種です。昔ながらの棚づくりで丁寧に栽培された果実を、糖度が乗ったタイミングで収穫して使用します。それまでに、石蔵発酵槽は数ヶ月かけておこなっていた修復や硫黄燻蒸(いおうくんじょう)による殺菌などのメンテナンスを終え、果実の到着を待ちます。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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丁寧な選果作業、除梗を経て、いよいよ石蔵発酵槽へ。

収穫されたマスカット・ベーリーAは、ラインに乗せられて選果作業へ。自然酵母による発酵のため、傷みがないかなど念入りにチェックされます。そのまま除梗(じょこう)・破砕機(はさいき)に掛けられて、一気に地下発酵槽へ投入されます。

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昔ながらの竹のすのこを使って。自然の力で静かに発酵が進む。

果実が投入されたのち、竹のすのこを上からかぶせて(写真上)つっかえ棒で固定し、すのことブドウの果実が浮き上がらないように抑えます(写真左下)。この方法によって、ブドウの果実と果皮は発酵時に発生する炭酸ガスの力で、発酵槽のなかでぐるぐると循環し、ちょうど攪拌(かくはん)されているような状態に。フランスワインでいう、ピジャージュやルモンタージュのような作業が自然におこなわれ、均一な発酵が促されます。右下の写真は発酵4日目。ブクブクと炭酸ガスを出して、さかんに発酵している様子がわかります。この後、2週間ほどで発酵を終えたワインは、石蔵発酵槽からタンクに移され、さらに半年ほどの熟成を重ねます。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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地下エリアには貯蔵庫も。沢山のワインや樽が、静かに時を待つ。

地下発酵槽のエリア前の通路とそこから繋がるエリアは、地下貯蔵庫として活用されています。コンクリート製の地下セラーは、夏は涼しく、冬は暖かい環境。樽熟成のワインの中には、ここで静かに時を待っているものも。ワイナリーの見学ツアーでは、この重厚な石積みのセラーを訪れることができ、歴史の重みを感じることができます。
※社会情勢に鑑みて、地下セラーの見学は中止になる場合があります。
※石蔵和飲はステンレスタンクによる熟成です。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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こうして誕生した珠玉の『石蔵和飲』。その味わいとは?

120年前と変わらない造り方で醸造されている『石蔵和飲』は、年間1万本ほどの限定生産。タンニンが柔らかく渋みが穏やかで、イチゴを思わせる甘いアロマと美しい色合いです。親しみやすく飲みやすい味わいも特長で、大きめのグラスで肉料理と合わせて楽しむことも、コップで家庭料理とカジュアルに楽しむこともできる、万能ワイン。筑前煮や肉じゃが、すき焼きなどの家庭料理とも楽しめます。使い勝手の良い『石蔵和飲』で、先人の工夫と日本ワインの歴史に想いを馳せてみませんか。

ルミエールワイナリー/石蔵和飲

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ルミエールワイナリー
山梨県笛吹市一宮町南野呂:(株)ルミエール

ルミエールワイナリー(Lumiere Winery/るみえーるわいなりー)は、山梨県笛吹市で代々続く老舗で、大正時代には宮内庁御用達となった由緒あるワイナリーです。明治18年(1885年)、降矢徳義(ふりやとくぎ)が甲州園(現在のルミエール)の前身となる降矢醸造場を創設。その後、大正7年に皇室御用達となり、昭和2年には昭和天皇御即位の御大典祝賀用に採用された歴史があります。

創業時から「本物のワインを造るには、本物のブドウを育てること」をモットーに、ワイン用ブドウの栽培を続け、自社農園では雑草を生かした「草生栽培」、人工的に耕さない「不耕起栽培」による土づくりをしているのもこだわりの一つ。雑草を増やすことにより多種の生物が共存する環境「生物多様性」が守られ、たくさんの動植物が生命を営んでいます。そのため、地上では虫によるブドウへの食害が減り、地下では水はけのよい柔らかい土壌が作られます。

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