2022.04.20
#日本ワイン #新潟ワイナリー #新潟ワイン #新潟ワインコースト #カーブドッチワイナリー #フェルミエ #ドメーヌショオ #ルサンクワイナリー
新たな銘醸地として話題の「新潟ワインコースト」に注目。新潟県のワイナリー
砂地のような土壌で栽培されるブドウが独特の味わいを生み出す「新潟ワインコースト」を中心に、個性あふれるワイナリーをピックアップ!
日本ワインの重要品種「マスカット・ベーリーA」誕生の地。「新潟ワインコースト」の台頭も見逃せない!
冷涼な気候と、ブドウ栽培の長い歴史を持つ新潟県。明治期に「日本のワインぶどうの父」とも称される川上善兵衛(かわかみぜんべえ)が、ブドウ栽培やワイン造りを始めたのも、新潟県上越市でした。川上善兵衛は勝海舟の勧めでこの事業に着手したと言われる、日本ワインの歴史上重要な人物。赤ワインの品種「マスカット・ベーリーA」を交配によって作出し、広く日本中に広めた恩人でもありました。その後1992年に、新潟市西蒲区の海岸地域に「カーブドッチ・ワイナリー」がブドウ畑を造り、醸造所をオープン。当時はまだ浸透していなかった「国産生ブドウ100%、かつ欧州系のワイン専用種100%のワインを造る」という考えのもとに、土壌の特徴を活かしたワイン造りを始めました。2005年ごろから、このチャレンジに賛同するワイナリーが同エリアにいくつもオープン。現在は「新潟ワインコースト」と呼ばれ、海外からも注目をあつめるワイン産地となっています。
写真左から:
カーブドッチ・ワイナリー/2022 ファンピー ロゼ
フェルミエ/【wa-syu限定】2021 カベルネ・ジャポネ アッサンブラージュ
ドメーヌ・ショオ/ふうせん花束 2022
ルサンクワイナリー/2016 ケルナー
海の砂を思わせる土壌をワインで表現。新潟ワインツーリズムの中核をなす、最重要エリアに注目!
1992年に「カーブドッチ・ワイナリー」がオープンした当時は、まだ西浦地区はワイン未開の土地でした。その地でブドウの栽培が始まり、醸造所が生まれ、志を一にするものが集まったことによって、新しいワイン産地が形成されるようになったのです。日本海に広がる海岸地帯に位置し、角田山の麓に広がるこのエリアは、まるで海の砂のような特異な土壌を持っています。2005年に初めて植えられたブドウ品種「アルバリーニョ」はこの土地の個性を代表する品種として定着。その後も各栽培家がさまざまな品種の栽培と醸造に取り組み、高い次元で切磋琢磨しています。
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日本屈指のワインリゾート、新潟ワインコーストを牽引する『カーブドッチ・ワイナリー』。
1992年に設立されたレストラン、スパ、オーベルジュを併設する、新潟を代表する滞在型ワイナリー『カーブドッチ・ワイナリー』。海と砂に囲まれた、日本ワインの新たな銘醸地「新潟ワインコースト」の歴史は、ここから始まりました。もともとはワイン未開の地であった角田浜エリアで、国産生ブドウの栽培を開始。欧州系のワイン専用ブドウを育て、ワインを造ることを目標に掲げてのスタートでした。この地は砂浜のような砂質土壌であり、そこで育つ適性品種を求めて、創業からこれまで40種類以上の品種を育成。現在も約20種類のブドウを栽培していますが、その中でも適性品種として最も期待されているのが、スペイン原産の白ワイン用ブドウ品種"アルバリーニョ"です。アルバリーニョをはじめとする数種類のブドウ品種をブレンドした「サブル」は、フランス語で「砂」を意味し、まさにこの土地の個性が表現されたフラッグシップワイン。そんな、風景が浮かぶようなワインを自在に生み出す取締役醸造責任者・掛川史人(かけがわふみと)氏のワインは、ワイン愛好家から絶大な支持を集めています。wa-syuのみで展開しているコラボレーションワイン"露 ~つゆ~ "も掛川氏が手がけた話題作で、北海道・余市町の契約農家のケルナーを使用。高度な技術と手間を要す天然酵母で醸造した特別なワインで、和三盆糖のような繊細な甘さとコクが楽しめる、新感覚のケルナーです。
カーブドッチ・ワイナリー
[名称]カーブドッチ・ワイナリー/株式会社カーブドッチ
[住所]新潟県新潟市西蒲区角田浜1661
[ワイナリー営業時間]10:00~17:00
[概要]1992年に設立されたレストラン、スパ、オーベルジュを併設する、新潟を代表する滞在型ワイナリー。海と砂に囲まれた、日本ワインの新たな銘醸地「新潟ワインコースト」の歴史は、ここから始まりました。国産生ブドウかつ欧州系のワイン専用種のワインを造ることを目標に掲げ、ワイン未開の地でスタート。角田浜(かくだはま)の砂浜のような砂質土壌の適性品種を求めて、創業からこれまで40種類以上の品種を植えてきました。現在も約20種類のブドウを栽培しています。目の前にはのびやかに横たわる角田山(かくだやま)。広大なブドウ畑に囲まれた一帯に設立されたカーブドッチ・ワイナリーは、訪れた人々がワイン造りの現場に触れ、ワインや料理を愉しみ、「ワイン」「食べる」「買う」「泊まる」の豊かな時間を過ごせるような空間やサービスを揃えています。
飲みやすく飲み飽きない、"ダシ感"のあるワイン『ドメーヌ・ショオ』。
可能な限り自然なブドウ栽培を目指している『ドメーヌ・ショオ』。農薬散布回数をギリギリまで減らしたり、土を柔らかく保つために大型の機械を入れずに全て人力で作業をするなどの工夫も重ねています。ブドウをとりまく畑という環境の生態系を豊かにし、その自然の生命力をすべて詰め込んだワイン造りを目指しています。ワイン造りにおいても、大事にしていることは「自然に醸造する」ということ。「ブドウの個性を一番に考え、あるがままの流れにまかせて、ワインになるまでの経過を見守るというスタンスで醸造しています。このようなワインにしたいという枠におさめる努力はせず、ブドウのなりたいようになるのを手伝うという造りをしています。手伝い方として気をつけていることは、あまりワインをいじらないということです。自分が手を出せるのは、「温度」「酸素」の管理ぐらいだと考えています。しかし、この「温度」「酸素」の管理がワイン造りにおいて最も大事で難しいことだと考えています。この管理に日々、悩み勉強し努力しています。『自然に出来あがったワインは優しく浸みわたり、瑞々しい旨味に溢れる』と信じてワインを造っています(醸造家・小林英雄氏/オフィシャルHPより)」。
ドメーヌ・ショオ
[名称]ドメーヌ・ショオ/Kobayashi Winery株式会社
[住所]新潟市西蒲区角田浜1700-1
[ワイナリー営業時間]平日:11:00〜16:00/土・日・祝祭日:11:00〜16:00
※火~木曜定休日
[概要]フランス語でワインの醸造所を意味するDomaine(ドメーヌ)とオーナーである小林夫妻の「小(ショウ)」から名付けられた小さなワイナリーです。2011年9月、海と砂に囲まれた日本ワインの新たな銘醸地「新潟ワインコースト」に設立されました。Chaud(ショオ)にはフランス語で「熱い」や「情熱的な」という意味があり、小林英雄(こばやしひでお)氏とみさと氏の熱い心でブドウ栽培やワイン造りがおこなわれています。ドメーヌ・ショオでは、土から考えて可能な限り自然な栽培を目指し、「1人1本飲めるワイン」をテーマに、ワインだけでも、料理と合わせても、飲みやすく飲みあきない、「瑞々しい旨味=植物、果実の持つ旨味=ダシ感」のある優しく気持ちのよい香りと味わいのワイン造りを続けています。
"新潟ワインコースト"の一翼を担う、家族経営の農園ワイナリー『フェルミエ』。
『フェルミエ』の代表取締役で栽培・醸造家の本多孝(ほんだたかし)氏は、もともと銀行勤務という異色の経歴の持ち主です。"海と砂のテロワールが育む新潟の個性溢れるワインを造りたい、との決意のもと、家族とともに東京から移り住み、2006年にワイン造りを始めました。『カーブドッチ・ワイナリー』に続く2件目のワイナリーである『フェルミエ』の設立は、"新潟ワインコースト"と呼ばれる新しいワイン産地が形成されはじめたきっかけになったのです。「越前浜の砂質土壌はワイン用ブドウの栽培に適しており、水捌けが良く痩せた土壌です。この地でのワイン造りの経験を重ねることで見えてきたひとつの方向性は、砂質土壌らしい"エレガントな香りのアタックと長い余韻、繊細で優しい味付きながらも旨味に溢れ目が詰まっている"ワインのスタイルです。そして、そのようなワインを生み出すプロセスに関して、畑の土壌・生態系に関わる栽培環境へのアプローチや、酵母・微生物の働き等に関わる醸造手法はよりナチュラルな手法を志向するようになりました。その土地の特徴を表す良いワインは、必ずしも大きな資本のもとで最新鋭の高価な設備を利用して合理的に大量生産することによって生まれるとは限らず、少量でもヴィニュロン(=栽培や醸造を手掛ける造り手)が、"その土地に誇りを持ち、自然の営みを尊重して惜しみなくブドウに愛情を注ぎ、そうして出来るブドウを信頼する"ことにより生まれると信じています(本多氏)」。
フェルミエ
[名称]フェルミエ/ホンダヴィンヤードアンドワイナリー株式会社
[住所]新潟県新潟市西蒲区越前浜4501
[ワイナリー営業時間]10:00〜17:00
※火曜日定休
[概要]日本一の大河・信濃川が注ぐ日本海にほど近い海岸砂丘に位置しています。栽培・醸造家の本多孝(ほんだたかし)氏は、"新潟ワインコースト"発祥の地『カーブドッチ・ワイナリー』の「ワイナリー経営塾」にて栽培・醸造・ワイナリー経営全般について学びました。そののち海と砂のテロワールが育む新潟の個性溢れるワイン造りを目指して、2006年に『フェルミエ』を創業。"フェルミエワイン"とは、農家製のワイン(フランス語)を意味します。本多氏が造るワインは、エレガントな香りと繊細で優しい味付きながらも、旨味に溢れたもの。ワイナリーには、新潟のテロワールを尊重し、一皿一皿に愛情をこめて作る新しい発想のフレンチレストランも併設されており、料理と『フェルミエ』のワインの「ローカル」なぬくもりを味わえます。
ここでしか出来ないワインを追求する、新潟ワインコーストで5番目のワイナリー『ルサンクワイナリー』。
『ルサンクワイナリー』が位置している新潟市の角田浜は、『カーブドッチ・ワイナリー』や『フェルミエ』『ドメーヌショオ』など、気鋭の個性的なワイナリーが集まっている新しい銘醸地、新潟ワインコースト地区です。新潟市街地の南西部、車で30分ほどの日本海に面した海岸地帯で、この海の砂のような土壌から素晴らしいワインが次々に産み出されています。海岸からわずか1.5kmに位置するこの地域は、昼は海から、夜は陸から風が吹き、ブドウの大敵となる湿度を下げてくれます。また梅雨が短く、ブドウの成熟期に降雨が非常に少ない年が多いのもメリットです。この地で、いちばん最近オープンした5つめのワイナリーが、『ルサンクワイナリー』です。ルサンク(Le CINQ)のCINQは、フランス語で数字の「5」という意味。香り高くやさしい味わいの、きれいなワインを追求しているという、代表取締役・醸造家の阿部隆史(あべたかし)氏は、ステンレスタンクで造ったしなやかな酸が魅力のシャルドネや、繊細でさわやかなメルローなど、個性的な銘柄をリリースしています。シンプルで味わい深いラベルも特長です。
日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド
日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。
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ワイン造りの現場にwa-syuが特別インタビュー!
シリーズ・日本ワインが生まれるところ。
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