2022.07.05
#日本ワイン #中国エリアワイナリー #中国エリアワイン #奥出雲葡萄園 #domainetetta #福山わいん工房 #広島三次ワイナリー
注目エリア・中国地方のワイナリー
地形の変化に富み、個性的なテロワールを持つ中国地方。新しい世代が牽引する、オリジナリティあふれるワイナリーに、今注目が集まっています。
それぞれの土地の個性を生かした味わいを。中国地方で活性化するワイナリーと地域起こし。
生食用ブドウの出荷量が全国4位であり、果物王国とも呼ばれる岡山県や、温暖な瀬戸内気候の広島県、自然豊かな神話の国・島根県など、さまざまな土地のプロフィールを持つ中国地方。瀬戸内海から日本海、中国山地や湖も擁する、変化に富んだ地形です。このエリアでも近年いくつものワイナリーが誕生し、注目を集めています。それぞれのワイナリーと畑では独自の工夫を重ね、寒冷地とは異なったアプローチによるブドウ栽培を実践。地元に愛されるコミュニティとしての役割も担うようになっています。
写真左から:
奥出雲葡萄園/シードル 赤来
domaine tetta/2018 Le Noble[375ml]
広島三次ワイナリー/TOMOÉ シャルドネ 新月 2020
福山わいん工房/ベリーベリーベリー 2020[200ml]
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地域に根ざしたワイナリーで丁寧につくられる日本ワイン。生産者との距離も近い、今どきのスタイル。
もともと中国地方は、日本固有の品種であるマスカット・ベーリーAや生食用ブドウが盛んに栽培されているエリア。90年代にもワイナリーが誕生し、ワイン用のブドウを作る試みもなされ、近年さらに生産者も増えてきています。ただし中国エリアでは、一部を除いてまだまだごく小規模な、新進ワイナリーが点在しているという状況。古くからのワイン醸造場が集積している地域や、大規模農場が発達している寒冷地域と比べると、銘醸地としての知名度も決して高くはありません。けれども、丁寧なブドウ作りやワイン醸造によって、その味わいは高い評価を得るようになってきており、日本中から注目を集めています。レストランやカフェの併設などで、生産者との直接のコミュニケーションが楽しめるワイナリーもあり、ますますファンを増やし、観光の重要拠点になっているワイナリーも。一本一本大事に生み出された希少な銘柄を、ぜひ一度は味わってみてください。
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神話が息づく土地で、美しい自然と共生したものづくり。『奥出雲葡萄園』。
いまだ出雲神話が息づいている土地、奥出雲・雲南市。美しい神秘に満ちた山間の町に『奥出雲葡萄園』は位置します。斐伊川の恵みを受けたこの土地の自然と向き合い、地域と共存していくsymbiosis(共生)が奥出雲葡萄園のワイン造りのポリシーです。生態系を崩さず、自然に対して人間ができるわずかなことを、丁寧に一生懸命に。年間生産量約5万本。小さなワイナリーだからできる1本1本丁寧に妥協しないワインへのこだわり。そんな想いをラベルデザインにも込めて、手作業で貼付しています。木次町産のセイベル9110種を100%使用した、瓶内二次発酵の本格スパークリングワインなど、希少な銘柄にも注目です。
自社原料100%のワイン造りをモットーに。一貫した世界観が人々を魅了する『domaine tetta』。
中国山地を背にした、高梁川の上流に位置する岡山県・新見市のワイナリー。domaine tetta(ドメーヌテッタ)の広大な農園には、現在、生食用ブドウとワイン原材料用ブドウの木が約18,000本あります。その土質は、フランスの銘醸地に似た石灰岩土壌(石灰岩と赤土)で水はけは良好。標高も約400mと高いため寒暖差もあり、ブドウ栽培には非常に適した環境で栽培をしています。その自ら栽培したブドウのポテンシャルを最大限引き出すため、人間の手を極力介さないアプローチでワインを醸造しています。
・野生酵母でゆっくり発酵させる
・補糖、補酸をしない
・強制的なポンプは使用せず、グラヴィティフロー(重力移動)でワインを移動させる
・酸化防止剤(亜硫酸塩)は、最小限の量を添加。※全く添加なしのワインもあります
・ワインの個性を維持するため、ろ過は粗目のフィルターで行う
・コルクは天然コルクを使用
というスタイルで、100%自社で栽培した葡萄をワインに醸造。また、この地の資源を活かした石灰岩採掘トンネルを、秘密の坑道ワインカーブとして長期熟成に活用しています。
domaine tetta
[名称]domaine tetta/tetta株式会社
[住所]岡山県新見市哲多町矢戸3136
[カフェ営業時間]11:00~16:00
※木曜日・金曜日定休
[概要]岡山県北西部、新見市哲多町で2016年秋にスタートしたワイナリー。2009年、ドメーヌワイナリーを目指してブドウ畑の開墾、苗植えに着手し、2016年に念願のワイナリーが完成。新見市の土壌組成は日本では希有な石灰岩土質で、古くからブドウ栽培の文化が根付く地域。石灰岩土質から成るブドウ(減農薬・草生栽培)のポテンシャルをワインに表現することをコンセプトに、醸造は自然的なアプローチで醸しています。野生酵母でゆっくり優しく発酵させ、酸化防止剤はほぼ不使用、補糖・補酸はしないのもこだわりです。
広島県でいちばん初めにできたワイナリー。受賞歴多数の実力派ブランドに注目!『広島三次ワイナリー』。
昭和30年代からブドウが盛んに栽培されていた広島県・三次市で、1994年に広島県内初のワイナリーとしてオープンした「広島三次ワイナリー」。2007年には2.0ヘクタールの自社農園を確保しピノ・ノワールやシラーなどを植栽、個性あるワイン造りに取り組んでいます。同時期にはワイナリーを代表するブランド『TOMOÉ(トモエ)』が誕生しました。三次産のブドウ100%、その中でも厳選されたものだけを使用した『TOMOÉ』は、国内外のコンクールで金賞を多数受賞。"広島にこんなに美味しいワインがあったなんて"と、ワイン通も驚く銘柄へと進化したのです。現在はシャルドネ、セミヨン、メルローなどの欧州系品種や、山ブドウ系の小公子を栽培し、貴腐ワインの醸造にも力を注いでいます。また、スパークリングワインの『VILLAQUA(ヴィラクア)』シリーズも大人気。ワイナリー長は太田直幸(おおたなおゆき)氏。
広島三次ワイナリー
[名称]広島三次ワイナリー/株式会社広島三次ワイナリー
[住所]広島県三次市東酒屋町10445番地3
[ワイナリー営業時間]9:30〜18:00
※12月29日〜1月1日、1月〜3月第2水曜定休日
[概要]広島県の北部、中国地方の真ん中に位置する三次市で1994年に誕生した、一日楽しめるワイナリー。ワイン醸造所、地下貯蔵庫、レストラン、カフェや多目的ステージなどを備え、地元の食材を購入したりバーベキューも楽しめる充実した施設です。またワインの試飲や自由に見学できるワイン貯蔵庫、資料展示もあり、ワインに関する知識を深めることが出来る点でも人気です。実力派ブランド『TOMOÉ』は、ワイン業界からも高く評価されています。
新しいタイプの都市型ワイナリー『福山わいん工房』。
福山わいん工房は広島県・福山で最初のワイナリーとしてスタート。もともとフランス料理のシェフをしていたオーナーの古川和秋氏が、シャンパーニュ地方で研修中にシャンパーニュに惹かれ、自分でも造ってみたいという思いを持つように。2016年から夫婦2人で、自然との共存をテーマに、スパークリングワインを中心に醸造を始めています。場所はJR福山駅からすぐの商店街にあり、アクセスしやすいアーバンワイナリーの形態です。もともと地域でさかんだったブドウ栽培の歴史を踏まえて、よりよいブドウを地域と共に育てています。また毎年少しずつ開墾して自分の手でのブドウ栽培にも着手、今後は自社畑での栽培によるブドウを使ったワインもリリースする予定。楽しみに見守りたいワイナリーです。
日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド
日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。
▼「産地リスト」はこちら
シリーズ・日本ワインが生まれるところ。ワイン造りの現場にwa-syuが特別インタビュー!
日本ワインは人とブドウのストーリーから生まれます。ますます日本ワインが好きになる、そんな素敵なワイナリーを、wa-syuが独自取材でご紹介!
▼「ワイナリーリスト」はこちら
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