日本ワインの生産量は第2位。進化を続ける銘醸地、長野県のワイナリー

山梨県に続く、日本第2位のワイン王国・長野県。早くから"信州ワインバレー構想"を打ち立て、世界からも認められる銘醸地へと躍進を続ける、注目のエリアです。

国際品種のブドウ栽培もさかん。長野県のワインが、世界標準に近づきつつある理由。

ワイナリーの数、日本ワインの生産量、ブドウの生産量ともに、全国2位の長野県。第1位の山梨県は、甲州やマスカット・ベーリーAなどの日本固有種をメインに栽培していますが、長野県の特徴は、欧州系品種のブドウを多く栽培しているということ。シャルドネやソーヴィニヨン・ブラン、メルローやピノ・ノワールの生産量はいずれも全国1位です。寒冷地では栽培が難しいとされていたメルローに関しては、栽培研究を重ね、県内に根づかせた先人の努力があり、その結果、シャルドネなどの品種も多く栽培されてきました。また、古くから栽培されているコンコード種やナイアガラ種も根強い人気があります。2021年には、ワインの地理的表示制度(GI)で「長野」が指定されることになりました。今や山梨県や北海道、山形県と並んで、長野県の日本ワインは、世界にアピールできる存在へと飛躍しています。

写真左から:
楠わいなりー/ボーリュー 2014
ドメーヌ・コーセイ/メルロ 601 信州 2020
VOTANO WINE/カベルネ・フラン 2019
ヴィラデストワイナリー/ヴィニュロンズリザーブ シャルドネ 2019

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温暖化が進む日本の栽培地。暑さに苦しむエリアも多いなか、適度に冷涼な気候は長野県の大きな強みに。

長野県産のブドウ&ワインは、品質の面で日本ワインをリードする存在。良質の果実は、長野県の恵まれた自然条件から生まれています。まず、ブドウの収穫期を迎える夏から秋に雨が少ないので、果実へのダメージや病気が防げます。また春から秋にかけてのブドウの育成期に日照時間が長くなるので、ブドウの糖度や酸を高めることができます。さらに内陸性気候の長野県は、昼夜の温度差が大きいという特徴があります。夜の気温が下がると糖度が高まり、ブドウの着色が良くなります。また、十分な酸味も残ってワイン用ブドウにふさわしい生育が可能になります。人間同様、植物も夜間の温度が高いと呼吸量が多くなり、たくさんのエネルギーを消耗しますが、気温が低ければ活動が抑えられて余計なエネルギーを使わずに済み、良い成熟が迎えられるからなのです。加えて、全国の中では雨が少ない長野県ですが、ボルドーなど欧州の名産地と比べれば多いことも事実。しかし、県内にはいたるところに傾斜地があるため、雨が降っても水はけに有利です。透水性の高い、大小の河川が運んだ小石や砂混じりの土壌も各地に広がっています。しかも温暖化が進む中で、他県では暑さに苦しむエリアも多いなか、適度に冷涼な気候は長野県の大きな強みに。欧州種のブドウの中には、近年の温暖化で栽培条件が良くなり、よりよい品質のものが産出できるようになったものも。

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南北に長く、温度差や気候条件も違う各エリア。テロワールに合わせた多彩なブドウ品種の栽培ができる!

日本ワインのワイナリー数、醸造量共に全国第2位の長野県。"信州ワインバレー構想"に基づく施策や、ワイン特区を支援するなど行政側からの取り組みも、早くから開始していました。"信州ワインバレー構想"では、「千曲川(ちくまがわ)」「桔梗ヶ原(ききょうがはら)」「日本アルプス」「天竜川(てんりゅうがわ)」の4つのバレーに区分け。それぞれのワイン造りの発展を目指しています。
・千曲川ワインバレーは、東御市(とうみし)を中心に実力派がそろうエリア。長野ワインのメッカとも呼ばれ、若手の育成にも積極的に取り組んでいます。シャンパーニュやブルゴーニュ北部地方に近い気候条件とも言われます。
・桔梗ヶ原ワインバレーは塩尻市。寒冷地では栽培が難しいとされていたメルローの栽培研究を重ね、県内に根付かせてきました。ボルドーやブルゴーニュ南部地方に気候条件が似ているとも言われています。
・日本アルプスワインバレーは、松本から安曇野(あづみの)に産地が広がるエリア。長野県内のブドウ栽培の発祥の地とも言われる、古くからブドウ栽培が盛んな地域です。ナイアガラ、コンコード、デラウェア、巨峰などの生食用のブドウに始まり、現在では欧州系の品種も栽培。他エリアへも良質のブドウを提供しています。
・天竜川ワインバレーは、中央アルプスと南アルプスに囲まれた盆地の中央に天竜川が流れ、その両側には河岸段丘や扇状地が連なる水はけの良い土地。古くから果物の産地として知られ、現在少しずつ醸造所が振興しています。

日本を代表するプレミアムワインをリリース。長野県&千曲川ワインバレーを牽引する『ヴィラデストワイナリー』。

1991年、現オーナーの玉村豊男(たまむらとよお)氏・抄恵子(さえこ)婦人が東京より長野に移住し、西洋野菜、ハーブの栽培を行う農園「ヴィラデスト」を開始。その後エッセイストで画家でもある玉村氏は、2003年10月「ヴィラデストワイナリー」を創業しました。ワイナリーが位置する段丘は、千曲川の流れに沿う日本有数の小雨地帯。また日照時間が長く、寒暖差が大きいなど、ワイン用ブドウ栽培の好適地として知られます。この地でシャルドネ、メルロー、ピノ・ノワールなどの欧州系専用品種を丁寧に育てています。「畑でしっかりと手をかけて育てたブドウから、丁寧にワインを醸すことで、この地のテロワール(風土)を反映した、エレガントでクリーン、且つ凝縮感のあるワインが生み出されます。この美しいヴィラデストの風景が目に浮かぶような、上質な世界品質のワインを目指したいと思います(代表取締役社長で栽培醸造責任者でもある小西超氏)」。
日本ワインコンクールの最高金賞をはじめ数々の栄誉に輝き、日本を代表するプレミアムワインと評価されているヴィラデスト。今話題のNAGANO WINEの代表格として、また若手醸造家を牽引する存在として、農業をベースとしたライフスタイルを提案しています。

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ヴィラデストワイナリー

[名称]ヴィラデストワイナリー/株式会社ヴィラデストワイナリー
[住所]長野県東御市和6027
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]ブドウ畑の風景を見ながらそのブドウから造られたワインを飲み、楽しい時間をすごせる「田園のリゾート」を目指し、2003年に創業されました。レストランやギャラリーも併設。長野県東御市の標高850メートルの丘の上に位置し、日照時間が長く寒暖差が大きいなどワイン用ブドウ栽培の好適地として知られます。日本ワインコンクールの最高金賞をはじめ数々の賞を受賞。日本を代表するプレミアムワインと評価されています。栽培醸造責任者は小西超(こにしとおる)氏。

国内外のワイン好きが手に入れたいと願う超人気ワイナリー。塩尻市・洗馬発、旨みあふれる極上の『VOTANO WINE(ヴォータノ ワイン)』。

野生酵母による発酵、無濾過仕上げが特徴の旨み溢れるワインは、国内外のワイン愛好家から支持されています。理想のワイン造りに適したミネラル豊富な土壌を求めて、元設計士の醸造家・坪田満博(つぼたみつひろ)氏が全国各地の地質を分析、行き着いたのが長野県塩尻市にある、洗馬(せば)の奈良井川沿いの土地でした。この奈良井川は、千曲川を経て信濃川になり、長い道のりを経て日本海に流れ込む河川。ジュラ紀地層の木曽・飛騨山系から流れ出ているため、洗馬エリアでは川筋がS字カーブになっているのです。ゴロゴロとした石だらけでミネラル分がたっぷり堆積したこの土地で、2002年に畑づくりを開始した坪田氏は、滋味あふれるワインを生み出しています。ブドウ作りには「カーテン仕立て」を採用。樹の成長を抑えるために、この仕立て方をとっているそう。節間(葉と葉の距離)が狭くなり、1房に対する葉の枚数が多くなることから光合成が活発になるのも、この仕立て方の特長です。日々の丁寧な作業によって、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール、ケルナー、甲斐ブランなど多彩なブドウを育てあげています。

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VOTANO WINE

[名称]VOTANO WINE/株式会社VOTANO WINE
[住所]塩尻市宗賀洗馬2660-1
[ワイナリー営業時間]平日:9:00~18:00/土・日・祝日:10:00~18:00
※月曜定休日
※詳しい営業時間などは、VOTAO WINEウェブサイトまたはワイナリーまでお問い合わせください。

[概要]元設計士の坪田満博(つぼたみつひろ)氏が2012年に長野県塩尻市洗馬(せば)に設立したワイナリー。坪田氏は、イタリアの偉大なワイン「バローロ(BAROLO)」に魅了されたのをきっかけにワインに目覚め、東京で設計士として活躍したのち、栃木県足利市にある『ココ・ファーム・ワイナリー』で修行を重ね、現在日本ワイン界を牽引する10R(トアール)ワイナリーのブルース・ガットラヴ氏(当時の醸造長)からワイン醸造を、ドメーヌ・タカヒコの曽我貴彦(そがたかひこ)氏(当時の農場長)から栽培を学んだことが、ワイン造りの礎になっています。

研究を重ねたブドウ栽培と醸造が、海外からも高く評価される味わいを生む『楠わいなりー』。

千曲川ワインバレーを代表するワイナリーのひとつ。もともとサラリーマンだった醸造家・ブドウ栽培家の楠茂幸(くすのきしげゆき)氏は、故郷の長野県須坂市でワイン造りをする夢を叶えるため、オーストラリアのアデレード大学大学院へ留学。ワイン醸造とブドウ栽培を学び、帰国後、2004年にワイン用ブドウを植えるところからスタートしました。実家は農家ではないため、畑を借りるところからのスタートだったそう。休耕地を開墾し、メルローとシャルドネの苗木などを植え、"楠ヴィニヤーズ"と名付け、ワインブドウの栽培に取り組み始めました。その後、7年間はブドウ栽培とブドウ畑の拡張に注力し、2011年に満を持して自社ワイナリーを設立。研究と実践に基づいた丁寧な栽培と醸造で、こだわりの銘柄を数多く生み出しています。赤ワインについてはすべてを樽詰めし、約1年ほど熟成させてマロ・ラクティック発酵(マロ乳酸発酵、MLF)を起こさせます。また、白ワインの一部シャルドネなども樽熟成させています。こうして複雑な風味が生まれたワインを樽ごとに香りや味を確かめて、タンクでブレンド。完成された味わいは、国内外で高い評価を得ています。

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楠わいなりー

[名称]楠わいなりー/楠わいなりー株式会社
[住所]長野県須坂市亀倉123-1
[ワイナリー営業時間]10:00〜16:00 
※水曜日・木曜日定休

[概要]東北大学工学部卒業後、貿易会社と航空機リース会社に勤務、その間10年ほどシンガポールに駐在していた楠茂幸氏。醸造家・ブドウ栽培家を志し、2011年『楠わいなりー』を設立。初仕込みの「メルローキュヴェマサコ2011」が長野県原産地呼称認定委員会にて審査員奨励賞を受賞するなど、高品質のワインを生み出し続けています。「シャルドネ2014樽熟成」が2016年に開催されたG7長野県・軽井沢交通大臣会合の歓迎レセプションワインとして採用されたことでも有名。また「ピノ・ノワール2014」が、ワイン業界で最も権威のあるマスター・オブ・ワインによる日本のピノ・ノワールのブラインドテイスティングで最高点を獲得するなど、国内のみならず海外でも評価が高まっています。

日本の赤ワインの最高峰とも。メルロのみを栽培、醸造する、味村興成氏の『ドメーヌ・コーセイ』。

塩尻エリアは北アルプスの麗、松本盆地の南部に位置し、内陸性気候の地域です。風の通り道でもあり、澄んだ大気による日照時間の長さも特長で、火山灰を母材とする黒ボク土で覆われた圃場は、主に砂礫層と粘土層によって形成されています。保水性と水はけのよさを兼ね備えた独自の地層は、メルローのうまみを凝縮させ、個性を際立たせる役割にもなっています。1950年代にはこの塩尻で、寒冷地では栽培が難しいとされていたメルローの栽培研究への取り組みがスタート。当時、粘り強く試行錯誤を繰り返した中で編み出された高接ぎ木という方式で、大寒波を逃れることができたそう。これを機に、桔梗ヶ原のメルローは脚光を浴びるようになり、県内にその技術が継承されたと言われています。
国内のワイナリーで長年活躍し、日本の醸造家としてトップを走り抜けてきた味村興成(あじむらこうせい)氏が、自身の名を冠して退職後に立ち上げたのが新星『ドメーヌ・コーセイ』です。ボルドーでの留学時代の経験を生かしつつ、日本のブドウを知り尽くした味村氏は、あえて塩尻市のメルローを選び、メルロー種のみを栽培・醸造。味村氏だからこそ造れる、世界に認められる赤ワインを次々に生み出しており、メルローオンリーのワイン造りが唯一無二の魅力を放っています。特に"プライムシリーズ"では、同じ長野県内でも異なる地区の畑で収穫されたメルロー、異なる樽で育成した赤ワインで、味村氏の哲学を表現するなど、他にはない味わいを体験できます。

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ドメーヌ・コーセイ

[名称]ドメーヌ・コーセイ/株式会社Domaine KOSEI
[住所]長野県塩尻市片丘7861-1
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]2016年からブドウ栽培を開始し、2019年にワイナリーを設立。「塩尻の地で、メルローのみでワインを造る」という先人の想いを引き継ぎ、メルロー100%のワインを造り続けています。1950年代に植えられたメルローの樹は長野県で最も古く、保水性と水はけのよさを兼ね備えた塩尻の地層はメルローのうまみを凝縮させ、個性を際立たせています。エレガントなその味わいは、日本の赤ワインの最高峰とも称されています。

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エリア別ワイナリーガイド

日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した40以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。

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