山梨ワインの歴史は、そのまま日本ワインの歴史
山梨県のワイナリー Part2

ワイナリーの数もダントツで全国1位の山梨。激戦区の中からおすすめのワイナリーを紹介!第2弾は日本有数の老舗から話題の気鋭ワイナリーまで登場。

数々のワイナリーを育んで来た、日本一のブドウ栽培地であり銘醸地、山梨県。

古くから甲府盆地は、雨が少なく昼夜の温度差も大きいため、東端の勝沼地区を中心にブドウの栽培が盛んなところでした。明治初期には、大消費地にも近いという地の利を生かしてワインの生産がスタート。先人たちの努力によって、その味わいは大きな進化を遂げてきました。現在は、甲州ブドウ、マスカット・ベーリーAという2大日本固有種は、どちらも山梨県が生産量日本一です。またデラウェア、巨峰の生産量も全国2位となっています。また、勝沼地区のみならず、南アルプス市など、その他の地域にもワイナリーが点在。今では新旧85(2022年1月現在)のワイナリーが設立され、それぞれの風土を生かした、個性的なワインを生み出しています。

写真左から:
ドメーヌヒデ/【ドメーヌヒデ×wa-syu】壺仕立て オレンジ 甲州 2021
まるき葡萄酒/コリエ・ドゥ・ペルル ベーリーA 2019
シャトー酒折ワイナリー/マスカットベリーA 樽熟成 キュヴェ・オギハラ 2015
ルミエールワイナリー/シードル 2021
シャトージュン/スパークリング
白百合醸造/ロリアン 勝沼甲州 2021

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山梨の老舗ワイナリーの歴史は、日本ワインの歴史そのもの。先人たちの労苦が偲ばれる文化遺産も。

『まるき葡萄酒(甲州市)』や、ほぼ同時期に設立された『ルミエールワイナリー(笛吹市)』などの100年を超える老舗は、日本のワイン造りの黎明期を担ってきた立役者。日本ワインの誕生をつぶさに見てきた存在であり、さらに進化を続けています。『ルミエールワイナリー』の登録有形文化財に認定されている石蔵発酵槽(いしぐらはっこうそう)や、『まるき葡萄酒』に残るかつての看板などは、その伝統を物語る貴重なもの。『白百合醸造(甲州市)』のように共同醸造組合として発足し、この地で長らく家族経営でワイナリーを守ってきたところもあります。このような老舗ワイナリーと、気鋭の新進ワイナリーが混在し切磋琢磨しているのは、山梨県の大きな魅力です。

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ワイナリーの数でも日本一の山梨県。令和に入ってさらに増え続け、新旧約80のワイナリーが!

勝沼地区周辺は、江戸時代からすでにブドウ栽培が盛んだったところ。交通の要衝だったこともあり、現甲州市や笛吹市には、100年を超える老舗ワイナリーや、ブドウ園から発展したワイナリーなどが数多く存在しています。さらに周辺地区には、大手酒造会社の経営する大規模ワイナリーや、多角経営により異業種から参入したワイナリーなども点在。また新たな栽培好適地として、甲府市や南アルプス市を選択した個性的なワイナリーも登場しています。このようにバリエーション豊かな中から、日本ワインの黎明期を担った老舗ワイナリーに加え、気鋭のワイナリーや、小規模ながら高い評価を得ているワイナリーなどをピックアップしました。

勝沼の地で丁寧なワイン造りを志してスタート。『シャトー酒折ワイナリー』(甲府市)。

プレミアムワインの品質向上にも取り組んでいます。ワイナリー設立の1991年当時、シャトー酒折ワイナリーではマスカット・ベーリーAはワインに向かない品種と考え、造っていませんでした。しかし、1999年に非常に色の濃いマスカット・ベーリーAと出会い、試しにワインにしたところとてもいいものができたそう。その後はマスカット・ベーリーAにワインの未来を感じ、同品種のワインも積極的に生産するようになりました。Team Kisvin(チーム・キスヴィン)代表で、アメリカ・カリフォルニアにて葡萄栽培について学び、帰国後は独自の栽培理論に基づき、高品質な葡萄を栽培している栽培家の池川仁(いけがわひとし)氏は、栽培したブドウをシャトー酒折ワイナリーの醸造家、井島正義(いじままさよし)氏に醸造を委託。両者の関係が始まり、「マスカットベリーA 樽熟成 キュヴェ・イケガワ」などの名品が誕生しました。

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シャトー酒折ワイナリー

[名称]シャトー酒折ワイナリー/シャトー酒折ワイナリー株式会社
[所在地]山梨県甲府市酒折1338番地203
[ワイナリー営業時間] 9:00~16:00 
※年末は休館。詳しくは、ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]1991年5月、日本を代表するワイン産地、山梨県の甲府市を一望できる風光明媚な酒折の地に現在のワイナリーを設立しました。グループ会社である木下インターナショナル株式会社や海外メーカーとのネットワークにより、常に海外のワイン製造技術に関する最新の情報を得て、各国から導入した設備を使用し、進化を続けています。醸造家は井島正義氏。

丁寧なもの造りで世界の檜舞台でも活躍。『シャトージュン』(甲州市)。

アパレル&ライフクリエーションカンパニー、ジュングループが1979年創業。醸造責任者である醸造家・仁林欣也(にばやしきんや)氏は、ブドウの栽培過程の確認からワインの仕込み、瓶詰め、ラベル貼りまですべてをこなし、丁寧なもの造りを続けています。「正直なワイン」を理想として、ブドウという素材から出てくる味を引き出し、品質を向上させることに尽力しています。パワフルさを追い求めるのではなく、エレガントな雰囲気を醸し出したその味わいは、高く評価され、数々の賞を受賞。ワイナリーを代表するワイン"甲州"は、JAL国際線ビジネスクラスでもサービスされたほか、令和元年にはG20 大阪サミットにて各国首脳に振る舞われた実績もあります。

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シャトージュン

[名称]シャトージュン/シャトージュン株式会社
[所在地]山梨県甲州市勝沼町菱山3308
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]アパレル&ライフクリエーションカンパニー、ジュングループ直営のワイナリー。自社畑、および契約農家で栽培されたブドウから、芳醇なワインを生み出しています。畑は標高300m~500mの範囲に分布。甲府盆地の東に位置し、傾斜地で、土壌は砂が多い河川沿いの畑から粘土質の多い畑までバリエーション豊かです。雨が少なく日照が多いのも、この土地の特徴。農家が美味しくなったと思うタイミングでブドウを収穫し、ワインにすること、関わる人達の笑顔が詰まったワインにすることを目指しています。

勝沼ならではの美味しさを追求した『L'ORIENT』ブランド。世界を制した甲州は、マンガ『神の雫』にも登場した『白百合醸造』(甲州市)。

1938年に『白百合醸造』を設立した内田家は、古くから交通の要衝である甲州街道沿いで商店を営んでいた家系。勝沼地区近隣のブドウ栽培農家と共に始めた「白百合葡萄酒共同醸造組合」が始まりで、今でも地元農家との深いつながりを持ち、他では真似のできないワイン造りにチャレンジしています。現社長、3代目・内田多加夫(うちだたかお)氏は今から50年以上前に、それまで日本人が訪れることのなかった南フランスへ始めて渡り、本場のワイン醸造技術を吸収。"西洋に負けない、東洋のワインを造りたい"と考えて、帰国後は自ワイナリーのワインに『L'ORIENT(ロリアン=東洋の意)』というブランド名を冠しました。2021年には日本固有種である甲州を使った辛口の白ワイン「L'ORIENT 勝沼甲州 2019」が、イギリスのワイン雑誌『Decanter(デキャンター)』が主宰する「Decanter World Wine Awards(DWWA/デキャンター・ワールド・ワイン・アワード) 2021」で、最高賞のプラチナを受賞。世界最大のコンクールで、日本最高得点での受賞を果たしたことで、勝沼の甲州ワインのアピールにも貢献しています。また、希少なブランデーや個性的な果実酒も注目されています。

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白百合醸造

[名称]白百合醸造/白百合醸造株式会社
[住所]山梨県甲州市勝沼町等々力878−2
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]山梨県の勝沼町で1938年(昭和13年)創業の80年以上続く老舗ワイナリー。現在3代目となる内田多加夫(うちだたかお)氏が経営する、情熱に溢れたファミリーワイナリーです。ワイナリーの愛称である『L'ORIENT(ロリアン)』は「東洋」を意味するフランス語で、ヨーロッパに劣らぬ高水準のワイン造りを目指し名づけられました。「ワイン造りはシンプルだからこそ原料となるブドウの良否が大切」という考えのもと、原料となるブドウの栽培からワイン造りまで一貫して取り組んでいます。また、白百合醸造では、四季折々で表情を変える勝沼の土地を体感できる、農作業体験やワインラベル作り、生ワインのボトル詰めなど、さまざまなアクティビティが用意されています。

醸造家・渋谷氏の人柄にも魅せられて。熱烈なファンも集う、南アルプス市の『ドメーヌヒデ』(南アルプス市)。

南アルプス産の赤ワイン醸造にこだわるブティックワイナリー、『ドメーヌヒデ』。醸造家の"ヒデさん"こと渋谷英雄(しぶたにひでお)氏は、3,000回以上も海に潜った経歴のある元プロのダイバー。海で体感した月の引力による潮の満ち引きを、ブドウの栽培にも取り入れて、月齢に合わせた収穫と醸造を基本としています。また、日本固有種のマスカット・ベーリーAのポテンシャルを見いだし、ひとつ一つの畑にもこだわって栽培。野生酵母でじっくりと醸造した赤ワインは、『ドメーヌヒデ』らしさの象徴です。アーティストが描く美しいラベルや、個性的なネーミング、他にはないコンセプトのワインも光ります。

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ドメーヌヒデ

[名称]ドメーヌヒデ/株式会社ショープル
[住所]山梨県南アルプス市小笠原436-1
[ワイナリー営業時間]ワイナリーにお問い合わせください。

[概要]元プロダイバーなど多彩な経歴を持つ醸造家・渋谷英雄(しぶたにひでお)氏が手掛けるマイクロワイナリー。南アルプスで塩の満ち引きに従う栽培と醸造をおこなっています。マスカット・ベーリーAの桃花色に心奪われたことをきかっけに、この品種とともに世界を目指すことを決意。マスカット・ベーリーAの赤ワインを中心に、五感で感じながら醸す唯一無二のワインを生み出しています。

現存する日本最古のワイナリー。現在は羊との共存で、新しいサスティナビリティを目指す『まるき葡萄酒』(甲州市)。

日本のワイン産業の黎明期・明治10年。山梨県から二人の若者が、日本ではじめてワイン醸造技術の習得のためにフランスに渡りました。そのうちの一人である土屋龍憲(つちやたつのり)が『まるき葡萄酒』の創業者です。帰国後の1891年(明治24年)に、彼は「マルキ葡萄酒」を設立。日本固有種である甲州ブドウを用いた日本ワインにこだわり、みずから勝沼葡萄酒の開懇と栽培の研究をおこないました。
現在ではサスティナビリティを掲げ、不耕起草生栽培によって土壌微生物を増やし、ブドウの木の生命力を高めています。また羊が畑を自由に動き回り、地表を掘り起こし、雑草を食べ、排泄することで土壌を改良。ワイン造りを通して、美しい自然環境への配慮を心がけています。また、"ブドウの持つ特徴をそのまま瓶に詰め込む"ことにこだわって醸造。例えば甲州では、リンゴのような果実香の風味、マスカット・ベーリーAではベーリー系果実の甘い香りなど、ブドウ本来の特性を生かしたワインを目指しています。

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まるき葡萄酒

[名称]まるき葡萄酒/まるき葡萄酒株式会社
[住所]山梨県甲州市勝沼町下岩崎2488
[ワイナリー営業時間]8:30~17:00

[概要]現存する日本最古のワイナリー。1950年代に、当時はまだ一般的ではなかった、甲州の長期熟成をスタート。甲府盆地にある扇状地の豊富な地下水脈に守られた地下貯蔵庫では、1959年ヴィンテージの甲州を筆頭に、約25,000本ものワインが一升瓶で静かに熟成されています。長期熟成向きではないと言われる甲州の長期熟成を成功させた先人の知恵と技術を受け継ぎ、現在でもまるき葡萄酒ならではの熟成を続けています。誕生年のワインに出会えるかもしれない、日本には珍しいワイナリー。日本食に合わせるワインとして、山梨を代表する品種、甲州とマスカット・ベーリーAを使った「毎日飲むためのデイリーワイン」「特別な日に飲むワイン」をラインアップしています。

老舗の歴史を雄弁に語る産業遺産は今も現役! 日本ワインを世界に紹介、革新的な挑戦も続ける『ルミエールワイナリー』(笛吹市)。

明治18年(1885年)、甲州園(現ルミエール)の前身である降矢醸造場を創立。明治34年(1901年)には"日本のワイン王"と呼ばれた実業家・神谷傳兵衛(かみやでんべえ)氏の指導を受け、扇状地の傾斜を利用した日本初のヨーロッパ型横蔵式地下発酵槽"石蔵発酵槽"を建設。この石蔵発酵槽は、設置当時から地下水を使って温度管理ができたり、酸に強い花崗岩(かこうがん)を使用したりするなど、ワインにとって最適な条件が揃った施設でした。設立後120年以上経った現在も、この発酵槽は現役で活躍しています。また、甲州ぶどうによるスパークリングワインをいち早く作り始めたことでも知られ、名品を次々に生み出しています。創業時から「本物のワインを造るには、本物のブドウを育てること」をモットーに、ワイン用ブドウの栽培を続けています。自社農園では雑草を生かした「草生栽培」、人工的に耕さない「不耕起栽培」による土づくりをしているのもこだわりの一つ。圃場では雑草を増やすことにより多種の生物が共存する環境「生物多様性」が守られ、たくさんの動植物が生命を営んでいます。そのため、地上では虫によるブドウへの食害が減り、地下では水はけのよい柔らかい土壌が作られています。

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ルミエールワイナリー

[名称]ルミエールワイナリー/株式会社ルミエール
[住所]山梨県笛吹市一宮町南野呂624
[ワイナリー営業時間]9:30~17:30
※年末年始は休業。詳しくは、ワイナリーにお問い合わせください。
[レストラン営業時間]ランチ:11:30~14:00(L.O.)/ディナー:17:30~20:00(L.O.)
※当面の間、ディナーは土曜日のみ営業。
※ディナーは、2日前の15時までにご予約をお願いします。詳しくは、レストランにお問い合わせください。
※月曜日(1月~3月のみ)・火曜日定休。どちらの曜日も祝日の場合は営業。

[概要]山梨県笛吹市で代々続く老舗で、大正時代には宮内庁御用達となった由緒あるワイナリーです。明治18年(1885年)、降矢徳義(ふりやとくぎ)が甲州園(現在のルミエール)の前身となる降矢醸造場を創設。その後、大正7年に皇室御用達となり、昭和2年には昭和天皇御即位の御大典祝賀用に採用された歴史があります。

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日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した40以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。

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