『IWAI KAMOSHI-SPARKLING』が国内外のデザインアワードで入賞!グラフィックデザイナー・相澤幸彦さんに特別インタビュー

「1人でも多くの人に、日本ワインの良さを伝えるためのデザインを」。岩崎醸造とwa-syuのコラボレーションワインのデザインが、海外と日本で評価されて入賞という快挙!その創作プロセスや、ラベルデザインの楽しみ方について聞きました。

色のコンセプトは「無季節感」。一年中楽しんでもらえるように、特定の季節に縛られないように。

wa-syu:相澤さんには『岩崎醸造』とwa-syuがコラボした限定スパークリングワイン『IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1-No.3』のラベルデザインを担当していただいたのですが、このたび、このデザインが日本と海外のアワードで入賞したと伺いました。おめでとうございます!
相澤幸彦さん(以下、相澤敬称略):ありがとうございます。「日本パッケージデザイン大賞2023」ではアルコール飲料部門で入選。「2022 PENTAWARDS(ペントアワード)」では、最終選考にノミネートされました。特に「PENTAWARDS」は、多数の国が参加する、デザインのオリンピックのようなもの。和と洋との融合というテーマはずっと自分の軸として持っていたので、殊更うれしいですね。海外の人も日本の人もいいなと思ってくれるデザインに仕上がって、両方から評価してもらえたというのが、非常に感慨深いです。

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wa-syu:今回の『IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1-No.3』は、『岩崎醸造』が位置する勝沼町の菱山の風景をモチーフにしたということですね。
相澤:山があってブドウ畑があって…という風景なのですが、リアルに描写してしまうと味気なくなってしまう。それをどのように表現するか、どのようにビジュアルとして深化させるかに苦心しました。また、和に寄りすぎず、西洋に傾きすぎず、そのちょうど良い融合をテーマにしています。

写真左から:
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1/5,940yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.2/6,930yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.3/7,920yen(税込)

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wa-syu:『IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1-No.3』は、老舗ワイナリー『岩崎醸造』の白石壮真(しらいしそうま)社長がwa-syuのために、とっておきの甲州ブドウを使って造った瓶内二次発酵のスパークリングワイン。同じベースワインを、異なる発酵の度合いで一年間にわたってリリースしたシリーズです。3本を並べると一枚の絵になっていく、そういった過程も楽しめる作品になっていますね。
相澤:No.1からNo.3にかけて、ワインの中身の味わいは変わっていくんですが、それに相反してラベルの風景は繋がっていく。ビンの中と外で、異なる意図があるのが面白いなと思っています。
wa-syu:苦心なさった点はありますか?
相澤:色は、やはりすごく悩みましたね。ちょっと派手だけれど、しっとりしている感じというか。いろんな色を使っているけれども、そこに静かな佇まいがあるという感じ。しかもこれだけ色数を使うとなると、組み合わせはもう無限にあるので…。バランスなども含め、相当迷いました。
wa-syu:色に関して、最後の決め手は何でしょうか?
相澤:「無季節感」を大切にしました。つまり、季節感を出さないことがすごく大事だと思ったのです。たとえば色が偏って、黄色やオレンジが多くなると秋っぽくなってしまう。同じように緑や青が多いと初夏、ピンク系が多いと春っぽくなるんです。だから、それを感じさせちゃいけないなと思ったんです。ワイン自体は一年中楽しんでもらいたいものですし、飲む順番も自由ですよね。ですから、何の季節か分からないようにすることに一番苦心しました。場所も季節も、実はファンタジーなんです。さらにラベルの紙にもこだわって和紙にしました。つるつるの紙だと、色がべたっと出てしまって、こういった浮世絵を思わせる味わい深い感じは出せないんです。そういった点でも、wa-syuさん側にたいへん理解があって、紙の選定や印刷の品質など、じっくりと取り組ませていただきました。やはりクリエイティブの会社として、ものづくりにこだわるDNAを感じましたね。

写真左から:
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1/5,940yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.2/6,930yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.3/7,920yen(税込)

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wa-syuのアイコンカラー"あこがれかずら"には、実は深い意味があった。

wa-syu:あらためて、相澤さんのお仕事について伺いたいと思うのですが。
相澤:グラフィックデザイナーとして、主にロゴやパッケージ、ウェブサイトなどのデザインをしています。また、ポスターやブックデザインをすることもありますし、空間デザインやブランドコンセプトを考えるコンサルティングのようなこともしますし、文章を書いたりする仕事もあります。
wa-syu:
株式会社ジュンではいろいろとお仕事いただいているのですが、中でもwa-syuはサイトデザイン、キービジュアルも担当していただきました。

写真左から:
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1/5,940yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.2/6,930yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.3/7,920yen(税込)

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相澤:ワインのラベルデザインも、ロゴやWEBサイトのデザインも考え方は同じ。使いやすさ、見やすさは大前提としてあって、そこに"和の感覚"をどのように融合させてゆくかが大切だと思っています。wa-syuのロゴの場合は、まず色を決めるところから入っていきましたが、日本の伝統色の中で"憧葛(あこがれかずら)"という色に出会って。この色は水無月を表すのですが、水無月=6月=JUN(ジュン)を指すんです。さらに、シャルドネなどのブドウを想起させるグリーン系の色でもある。こうして、全部のコンセプトが入っている色"憧葛"を、wa-syuのロゴのために選んだのです。

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wa-syu:ワイングラスをイメージして作っていただいたキービジュアルも、非常に評判がいいんです。
相澤:ワイングラスのビジュアルも日本の伝統模様を使ったのですが、こちらもどのように和の感覚をバランスよく取り入れていくかで悩みましたね。wa-syuは、日本ワインのみをセレクトするオンラインショップとしては最大規模で、他には同じような日本ワイン専門サイトはありません。だからこそ、他にはないデザインにこだわりましたし、思い出深いプロジェクトとなりました。
wa-syu:この和のイメージヴィジュアルと共に、いずれはヨーロッパで日本ワインを普及させたいという想いもあるんです。ハードルはかなり高いと思うんですが…。
相澤:でも海外に挑戦するって、最初はみんなそういう無理なハードルを越えているんだと思います。フランスで日本ワインを売るなんて無謀だ、ってきっとみんな言いますよね。でも野球選手にしてもサッカー選手にしても、ファッションで言えば三宅一生さんや山口小夜子さんなども、パイオニアはみんな"無理だ"と言われながらもチャレンジしたんですよね。日本ワインもパッケージデザインも同じで、チャレンジし続けることで得られるものは大きいと思っていますし、僕らもラベルデザインを通して、一人でも多くの人に日本ワインの良さを伝えたいと考えています。wa-syuは、日本ワインを広める伝道師的な役割も担っていると思うので、さらなる挑戦に期待したいですね。

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wa-syu:相澤さんが次にチャレンジしたいことは何でしょうか?
相澤:旅をしたいですね! 表現の仕事をしていく中で、やはり物事を動かすのは"感情"だな、と感じています。ワインでもデザインでも同じだと思うんですが、食感や触感、空気、匂いなど、実際に体験することで感情が伴う。ただ机に座っていても、形だけのものしか手に入らない気がするんです。いろいろなところへ行って、知らないことに触れて、素晴らしい景色を見た時に、理屈じゃない感情が心にそのまま入ってくる。そういったことで、心の勉強というか感覚の勉強をしたいですし、それがきっといいデザインに繋がっていくと思っています。

写真左から:
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.1/5,940yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.2/6,930yen(税込)
【岩崎醸造×wa-syu】IWAI KAMOSHI-SPARKLING No.3/7,920yen(税込)

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ラベルデザインという観点からワインを選ぶ、新しい切り口。不思議と、ビジュアルは中身とリンクする。

wa-syu:今回は特別にwa-syuで取り扱っている銘柄の中から、ラベルデザインという観点で気になるものを3本選んでいただきました。
相澤:予備知識まったくナシで、純粋にデザインとして気になるものを選んでみました。

※左から1番目の画像はイメージです。「マスカット・ベーリーA 2019」は完売しました。

写真左から:
マスカット・ベーリーA 2019/SOLD OUT
【wa-syu限定】樽熟 マスカット・ベーリーA 2019/5,500yen(税込)
ケルナー 2019/3,740yen(税込)

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wa-syu:ジャケ買いするとしたら、という感覚でお願いします! まず1本目、山梨『シャトー勝沼』の「樽熟 マスカット・ベーリーA 2019」です。こちらを選ばれた理由は?
相澤:「潔いな」と。この一言ですね。デザインって、何かを美しく見せるとか、装飾をしてより価値を高めよう、という目的があると思うのですが、これはデザインどうこうは置いておいて、相当味に自信があるというのが表れているなと思いました。装飾で引力を持とうとはしていなくて、「もう名前だけでいいんです」というのが、潔さとか自信となっていて、すごくパワーがあるな、って思ったんです。
wa-syu:確かに、他ではあまり出していない選りすぐりのブドウを使ったとっておきのキュベを、wa-syuのためだけに卸してくれた、特別なワインなんです。老舗ワイナリーならではの実力に裏打ちされ、醸造家が自ら筆耕しているところも、自信の表れですね!ラベルを見るだけでそんなことも判るんですか?
相澤:僕の中では、シンプルだからこそド派手で、意志の強さを感じさせる一本です。
wa-syu:そういうところがある銘柄だと思います。すごいですね!

【wa-syu限定】樽熟 マスカット・ベーリーA 2019/5,500yen(税込)

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wa-syu:次に、この北海道『ドメーヌレゾン』の「ケルナー 2019」を選ばれましたが?
相澤:こちらは逆に「なぜ?」っていうデザインが目を惹きました。ヤギが風船に乗って飛んでいく…っていうシチュエーションは、それ自体はワインに何も関係ないように見えるし、どうしてこのデザインになったのか謎ですよね(笑)。こういった空想的な描写っていうのは勇気がいるというか、デザインする人間からすると意外と難しいんです。「もしかしたら、ゆっくりと飛んでいっちゃうような酔いかたするよ」ということなのかもしれないし…。「どこから来てどこへ行くんだろう?」と、その先の物語までつい考えてしまう。何かいろいろなことを想像させる、答えがないラベルだなっていうのがすごく面白かったですね。
wa-syu:なるほど。『ドメーヌレゾン』自体はヤギを飼って循環型の農業を目指しているワイナリーですが、どうしてヤギはこうなったんだろう?ってあらためて考えると面白いですね!
相澤:気になって、飲みたくなりますよね(笑)。
wa-syu:当たり前のように見ていたデザインにも、そういった鑑賞の仕方があるんですね。

ケルナー 2019/3,740yen(税込)

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wa-syu:最後に、大阪『島之内フジマル醸造所』の「マスカット・ベーリーA 2019」はいかがですか?
相澤:これは非常に綺麗なデザインですね。円や四角など、非常にシンプルな図形だけで柄を作るっていうのが面白いと思いました。不純物をどんどん削っていって、丸というものだけで構成する…ということが、もしかするとこのワインの味わいにも通じているのかもしれないな、と思ったんです。余計なものがなくて、雑味がないというか…。言葉でも絵でもない、そういう部分でアプローチするっていうのが新鮮だと感じました。
wa-syu:確かに『島之内フジマル醸造所』はエッジの効いたおしゃれなレストランに併設されているアーバンワイナリーですし、大都会・大阪のど真ん中。ステンレスタンクでスマートな印象はあります。
相澤:ワインは自然の発酵物ですし、有機的なイメージもあると思うのですが、規則性がある図形を使うことで、まったく違った印象を持たせている。そういう思想のようなものが表れているのかな、と思いました。
wa-syu:本当に予備知識がなかったのですか?って確認したくなるほど、何もかもがぴったりワインの特性に当てはまる気がします。ラベルデザインって本当に深いですね!
相澤:やはり、デザインには作り手の性質や哲学がはっきりと表れると思います。ですから、例えばみんなでラベルを見て、そのワインの成り立ちや味わいを想像してから、抜栓して飲んでみて答え合わせをする、という楽しみ方も面白いですね。ラベルリストから銘柄を"ジャケ買い"できるのも、wa-syuのサイトの大きな特長ですし、そういった新しい切り口で楽しむのも、また日本ワインらしいですね。

※画像はイメージです。「マスカット・ベーリーA 2019」は完売しました。

マスカット・ベーリーA 2019/SOLD OUT

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NEWS
『IWAI KAMOSHI-SPARKLING』ラベルデザインが国内外のデザインアワードで入賞!

「日本パッケージデザイン大賞2023」入選
パッケージというデザイン領域のプロフェッショナルたちが集い、作品のデザイン性や創造性を競うコンペティション

「Pentawards(ペントアワード)2022」ファイナリスト
2007年にベルギーで設立された、世界初のパッケージデザインにおける優秀な才能を認定することに特化した、世界で最初のコンペティション

Indigo Design Award(インディゴデザインアワード)2023」ブロンズ受賞
グラフィックをはじめ、デジタルデザイン、UI/UX、ゲームデザイン、ブランディングなど多岐にわたる作品を対象に世界中のデザイナーから注目されている、オランダ・アムステルダム発の国際的なデザインアワード

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PROFILE
相澤幸彦(あいざわゆきひこ)
相澤事務所代表/グラフィックデザイナー

[名称]aizawa office Inc. /相澤事務所株式会社
[住所]神奈川県横浜市中区
[HP]http://www.aizawa-office.com/

国内外で数多くの受賞歴を持ち、海外の美術館で収蔵品に加えられている作品も。グラフィックデザインのみならず、空間デザイン、詩作などの活動にも注目が集まっている。

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SOLD OUT
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wa-syu限定!
ここでしか手に入らない、特別な日本ワイン  

希少な人気ワイナリーとのコラボレーションや限定醸造!味わいからラベルまで、醸造家とこだわって造った、wa-syuだけのオリジナルワインです。


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