日本ワインの第一人者・ワインショップ『遅桜』ソムリエ、大山圭太郎さんに訊いた!五感で味わう、オレンジワイン
国内初の日本ワイン専門ショップ『遅桜』の名ソムリエ・大山圭太郎さん。いま注目のカテゴリー、日本のオレンジワインをもっと楽しむコツを訊きました。
「オレンジワインは、東京タワーとのマリアージュが最高です」。日本有数の飲み手・大山さんは、ワインの楽しみ方も表現力も豊か!
国内で初めて日本ワイン専門のワインバーとしてオープンした、東京・西麻布の『遅桜(おそざくら)』。駅から少し離れた閑静な場所にあるこのお店は素晴らしい日本ワインの品揃えを誇りますが、さらにそれにも増して世界中のファンを虜にしているのは、マネージャー兼ソムリエの大山圭太郎(おおやまけいたろう)さんの存在です。稀代の飲み手として名高い大山さんは、ドラマ化もされた大ヒット漫画『神の雫』のイベントなどに携わったり、アドバイザーとしても引っ張りだこ。大山さんに会うために、日本のみならず世界中から、ワイン通が訪れています。そんな大山さんに、wa-syuのバイヤーでワインエキスパートでもある菊地がインタビュー。今回は日本ワインのなかから、人気ジャンルのオレンジワインについて伺いました。「僕とオレンジワインとの出会いは、おそらく十数年前に遡ると思うんですが…。イタリアのヴェネト州のピノ・グリージョで、オレンジ色っぽいワインを飲んだのが出会いだと思いますが、当時はオレンジワインとは呼ばれていなかったですね。日本ワインでのオレンジワインとの出会いは、『ココ・ファーム・ワイナリー』の『甲州F.O.S.』だったでしょうか。コスパのよいオレンジワインを選んで、仕事で疲れたあとに一人で飲んでぼおっとしていることもよくありますね。オレンジワインって、東京タワーの色とよく合うんですよ!(大山さん)」。
いつの間にか定着した"オレンジワイン"という言葉。響きも可愛い、不思議な魅力で飲んでみたくなる!
「どうしてオレンジワインは、これほどまでにブームになったのか、僕もいまだに謎なんですが(笑)。媒体などでさかんに"オレンジワイン"という言葉を見かけるようになってきて、自然に言葉が定着してきたような気がします。今では"オレンジワイン"は一種のブランド化してしまって、ロゼワインを一歩通り越してしまった感がありますね。個人的には、やはり甲州のオレンジワインは好きです。普通に想像する甲州の味わいとは違うものが出てくるので…。"このワイナリーさんの白の甲州はこんな感じ"と思っていても、オレンジワインになると全く違う味わいになっていたり、そんな面白さがあります(大山さん)」。
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「"オレンジワイン"って、言葉の響きも可愛いし、それってどんなワインなんだろう?っていう、摩訶不思議な感じもあるのが面白い。白ワインを造る過程でスキンコンタクトで造ってるので、色も楽しめるし、香りや味わいも独特のものがありますし、そこが日本人に刺さるのかな?と思っています。あとは"オレンジワインはこういうときに飲む"といったような、何かイメージが定着していけば、もっとみんなに浸透していくのかなと思っています。例えば、「オレンジワインは夕日に合うワイン」って言ったりする通り、オレンジワインのグラスをかざして、夕日や朝日を楽しんで飲むのもいいかもしれないですね。もちろん東京タワーのオレンジ色とのマリアージュもいいですし。色もワインの魅力のひとつなので、実際に体感してもらうと、よりオレンジワインを好きになってもらえると思います(大山さん)」。
焼き魚や魚介類との相性が抜群。めんつゆ、さらにシナモンをかけたアイスクリームとも?
「オレンジワインと食のペアリングとしては、キノコやサンマなどの焼き魚、魚介類との相性がすごくいいな、と思っています。また、めんつゆも相性がいいですね。お蕎麦とか素麺とかだけでなく、めんつゆを使った煮込み料理なども、オレンジワインとよく合います。あと、お米のご飯との相性もいい。ワインってあまり白いご飯には合わない、って言われますが、パンやパスタだけでなく、白いご飯+おかずと、ぜひ合わせてみてください。シナモンも相性がいいですね。仕事が終わった後に、コンビニでバニラアイスを買って、お風呂上がりにシナモンをちょっとかけて、オレンジワインと一緒に…なんていう飲み方も最高です(大山さん)」。
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wa-syu限定販売、『カタシモワイナリー』の泡デラウェアを、大山さんがテイスティング!
『たこシャン』でも有名な、大阪の老舗『カタシモワイナリー』が初めて造った、オレンジワインの瓶内二次発酵スパークリングが『泡オレンジ 宝吉畑 デラウェア 2021』。耕作放棄地の畑で収穫したデラウェアを使った、wa-syu限定販売ワインを、大山さんにテイスティングしてもらいました。「酵母の香りが楽しめて、色合いからはクレームブリュレを連想しました。注いだ瞬間に鼻から感じる、粉っぽいようなテクスチャー。まるでシャンパーニュ地方のブドウ、ムニエを使ったワインのような、若々しい香り。口に入れた瞬間に、どこか噛み応えのあるような、期待感も感じられます。エチケットのクラシックな印象ともマッチしていますね(大山さん)」。
「ポジティブな意味で、オレンジワインっぽくない部分もあります。デラウェア由来の、落ち着いた甘い香り。「フルーツ」よりむしろ、「お花」を感じます。ワインの香りを花の香りに例えるとき、よく咲いてる花をイメージすると思うんですが、これは咲いている花ではなくて、ドライフラワーの香り。自分のお気に入りの花をスワッグにして、部屋に飾っている…。そういう雰囲気を感じます。それと、このワインから感じるのは「金」の香り。例えばフランス・ローヌ地方のシラーなどは、"鉄の香り"と表現したりするの、これは上品な、ゴールドを思わせる香りです。香りや味わいの表現の豊かさに、ワインの持つ世界観がぐっと広がりました(大山さん)」。
ソムリエ・大山さんおすすめ! wa-syuで見つける、個性豊かなオレンジワイン。
「『wa-syu』は多彩な日本ワインを取り扱っていますし、限定販売やコラボワインもいろいろ取り揃えていて、独自性もありますね。ワインエキスパートが、今イチ推しのオレンジワインを揃えているのもうれしいサービスです。実店舗でもインターネットでも、これほどの数のオレンジワインを、比べながらチョイスして買えるところってなかなかないと思います。日本ワインでは『wa-syu』だけじゃないでしょうか。白・赤・ロゼ・スパークリングはもちろんのこと、季節に合ったオレンジワインを、ぜひ購入して楽しんでみてください。きっと、この先のワインライフが豊かに広がっていくのではないでしょうか(大山さん)」。
写真左から:
Jolly Jolly Holiday 2021/5,280yen(税込)
2022 島で醸す デラウェア オレンジ/3,850yen(税込)
Arancione 2021/SOLD OUT
【wa-syu限定】泡オレンジ 宝吉畑 デラウェア 2021/SOLD OUT
Fermented on skin in Amphora 2021/5,500yen(税込)
2020 甲州F.O.S./4,180yen(税込)
【ドメーヌレゾン×wa-syu】オレンジワイン 2022/2,530yen(税込)
新潟『ドメーヌ・ショオ』
Jolly Jolly Holiday 2021
「『ドメーヌ・ショオ』のワインは、エチケットの可愛さだけでも魅了されますね。可愛らしくもあり憎らしくもある、コケティッシュな絵画のような感じで、食卓にすごく映えるんです。その絵画を眺めるのが、僕が『ドメーヌ・ショオ』のワインを楽しむときのやり方です。家でコンビニ飯を食べる時でも、疲れてご飯を作りたくない時でも、このワインがあると華やかになるんです。僕が合わせたのはししゃもで、魚卵はすごく合う気がします。キムチとか明太子とか、辛いものも合いますね。醸造家の小林さんは海に潜ったりもしますし、新潟ワインコーストは塩分と砂のある土地ですし、塩味がすごく豊かできれい。だから、辛いものと合わせるのもすごく良いかなと思います。生牡蠣にタバスコをちょびっとかけて、このオレンジワインとのマリアージュを楽しむのもいいですね(大山さん)」。
愛媛『大三島みんなのワイナリー』
2022 島で醸す デラウェア オレンジ
「『大三島みんなのワイナリー』は、ポテンシャルの高い、将来が楽しみなワイナリー。山形県産のデラウェアを使ったこのオレンジワインは若々しくて、抜栓してから少し時間を置くとより美味しく楽しめます。アルコールが11%でやや弱くて、これも冷たく冷やしたほうがいいかな、と思います。にごりがあるので、口の中に入れたときのストラクチャーがしっかりしているのも特長。僕は氷を入れて、昼から飲むのが好きです。日本では、氷を入れて飲むのはタブーみたいに言われることもありますが、フランスでも、よく昼から氷を入れてワインを飲んでいますよ。薄まらない程度に少し氷を入れて飲むときは、冷しゃぶもいいかもしれないですね。デラウェアは脂身のある豚肉の旨味とのバランスがすごくいいので。夜のワインと言うより、昼とか、早めの夕食のイメージで…。苦みのある野菜も、一緒にしゃぶしゃぶして楽しむと良さそうです(大山さん)」。