2023.08.30
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気鋭の醸造家、清澄白河フジマル醸造所の佐久間遥さんが、自社以外でセレクト。いま、日本ワインで選ぶならこの4本
ソムリエから醸造家の道へ。東京の都市型ワイナリー、『清澄白河フジマル醸造所』の醸造家・佐久間遥(さくまはるか)さんに、自社以外でおすすめの日本ワイン4本を選んでもらいました。
日本における都市型ワイナリーの草分けが、注目の町・清澄白河に醸造所つきのレストランをオープン!
柔らかいも味わいのものから、かっちりとした味わいのものまで、4本をセレクト。土地やブドウと真摯に向き合う造り手の意志を感じるラインアップ。
ソムリエの資格も持つ醸造家の佐久間さんは、フランスのワイナリーで研鑽を積んだのち、『清澄白河フジマル醸造所』のオープン時からレストランマネージャーとして勤務。出産を機に2018年より醸造部へ異動、ワイン造りを手がけるようになりました。「ワインは色々な切り口があって、それぞれにしっかりと魅力があるから楽しい。このようなセレクト(自社以外のおすすめワイン)も選ぶ人の数だけあって、飲む人の数だけまた楽しみ方があるのがいいですよね。私はソムリエとして働いていた時期も、造り手としてワインに接する今でも、できる限りいろいろな方向性のワインを知るよう心がけています。今回選んだワインも柔らかい味わいのものからかっちりとしたものまでを4本選んでみました。飲む人の好みや場所に合わせてその時にぴったりの1本を選んでもらえると嬉しいです。表現の方法も造り手の方それぞれにありますが、そこに共通するのはその土地やブドウと真摯に向き合い、飲む人に明確に伝えようとする意志や工夫だと思います。そういうものを感じられるワインが私にはとても魅力的に映ります。ワイン醸造の際には感覚だけで造ることは不可能ですが、飲む人に届いてからは人それぞれの感覚に委ねるしかありません。だから難しいことは考えずに、楽しい、美味しい、その人それぞれ自由に感じとってもらえるといいですよね(佐久間さん)」。
写真左から:
エルマール アルバリーニョ 2022/16,610yen(税込)
2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ )/3,740yen(税込)
ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018/6,710yen(税込)
2021 メルロ ブラン・ド・ノワール/4,510yen(税込)
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佐久間さんおすす① 驚きと感動の、"飲む価値のある"白ワイン『エルマール アルバリーニョ 2022』。
「新潟ワインコーストのワイナリーの皆さまを訪問した際、砂質土壌を実際に見せていただき、とにかく驚きました。本当に海岸の砂のように柔らかくさらさらとしていて、改めてそれぞれの土地に個々の特徴があり、そこで人の経験や歴史を重ねてブドウ栽培やワイン造りはおこなわれているのだなと実感しました。そこでいただいたのがこの『El Marl』でした。口に広がるミネラル感と美しい酸と余韻。この場所、そして本多さん(※注)の徹底したワイン造りだからこそ表現できる味わいに大変感動したのを今でも覚えています。もちろん頻繁に飲むことができるワインではありません。ただ、飲む価値のあるワインだということは確かです(佐久間さん)」。
※本多さん:『フェルミエ』代表の醸造家、本多孝(ほんだたかし)氏
フェルミエ[新潟]
エルマール アルバリーニョ 2022/16,610yen(税込)
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佐久間さんおすすめ② イチゴシロップのようなふんわりとした果実味と酸。思わず笑みがこぼれるロゼワイン『2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ)』。
「ココ・ファームさんのワインは王道の味わいのも、そして"こことあるシリーズ"のような自然な味わいのものも、すべてそれぞれの品種の特徴をどう表現して飲む人に届けるかというのが明確で、毎度納得させられてしまいます。これはピノ・ノワール(Pinot Noir)をロゼにしたらこんな魅力があります!がしっかり詰まっている一本。イチゴシロップのようなふんわりとした果実味と酸のアタック。思わず笑みがこぼれるような柔らかさで最後まで楽しませてくれます。ロゼは比較的どんなお料理にも合わせやすいこともあり、こういうロゼに出会うと、たくさんの人におすすめしたくなってしまうんです(佐久間さん)」。
ココ・ファーム・ワイナリー[栃木]
2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ )/3,740yen(税込)
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佐久間さんおすすめ③ 日本のメルローの先入観を覆す、背筋の伸びるような完成度の赤ワイン『ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018』。
「私がソムリエとしてワインをお選びしていた時、日本のメルロー独特の青臭さのような特徴が苦手ですと言われることが多く、そんな時にこのワインをお出しすると、お客さまの今までの先入観が覆ることが多かったです。どの国のワインだとしても素晴らしいものは何も変わらず素晴らしく、それよりもどんな環境でどんな人がブドウと向き合って造ったかということがとても重要な要素のひとつだと、このようなワインに出会うたびに思います。私自身、普段飲むワインは柔らかい味わいのものが多いのですが、こういう背筋を正してくれるようなワインは定期的に飲むようにしていますし、自分のワイン造りのひとつの指標だとも思っています。バランス、熟成によって変化する味わい、すべてが本当に素晴らしい。この一本を選ぶにあたり、あらためて飲みましたが、香りから余韻まで全ての要素で造りが美しく、このワインのポテンシャルにあらためて驚かされました。少し落ち着かせてから飲んでいただくことをおすすめします!(佐久間さん)」。
ヴィラデストワイナリー[長野]
ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018/6,710yen(税込)
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佐久間さんおすすめ④ 品種の特徴+αの楽しさが詰まった、赤ブドウから造る白ワイン『2021 メルロ ブラン・ド・ノワール』。
「多田ワイナリーさんのワインは、どの品種もその品種の味わい+αな楽しさが詰まっているような気がしていてとても好きです。このメルロー(Merlot)はご存知の通り、赤ワイン用のメルローを白ワインとして仕上げる"Blanc de Noir(ブラン ド ノワール)"です。メルローの特徴を感じつつも、白ワインにすることで新鮮な要素が飛び出してきて、ただただ単純にとても楽しい。揮発酸系のニュアンスをすべて良い特徴に変えているようなバランス感も楽しく、ついつい私も"Blanc de Noirを"造りたいと考えたくらいです。リラックスしてわいわい楽しみながらで飲んでほしい一本です(佐久間さん)」。
多田ワイナリー[北海道]
2021 メルロ ブラン・ド・ノワール/4,510yen(税込)
PROFILE
佐久間遥(さくまはるか)/清澄白河フジマル醸造所醸造責任者
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清澄白河フジマル醸造所
東京都江東区三好:株式会社パピーユ
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品種で選ぶと、日本ワインはもっと楽しい!
ブドウ品種別ガイド
ブドウ品種で選べば、日本ワインがもっと楽しくなる。日本固有種から欧州系品種まで、品種ガイドと、ワインエキスパートおすすめの銘柄を紹介します。
▼「品種リスト」はこちら
日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド
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