気鋭の醸造家、清澄白河フジマル醸造所の佐久間遥さんが、自社以外でセレクト。いま、日本ワインで選ぶならこの4本

ソムリエから醸造家の道へ。東京の都市型ワイナリー、『清澄白河フジマル醸造所』の醸造家・佐久間遥(さくまはるか)さんに、自社以外でおすすめの日本ワイン4本を選んでもらいました。

日本における都市型ワイナリーの草分けが、注目の町・清澄白河に醸造所つきのレストランをオープン!

世界中で流行している、大都市に醸造所を置く都市型ワイナリー(アーバンワイナリー)。あえてブドウの生産地ではなく、ワインの消費地に近い場所で醸造するというスタイルのワイナリーですが、その日本での先駆けは、大阪の『島之内フジマル醸造所』でした。1階がワイナリー、2階にはレストランが併設されている、世界的にも珍しい形で2013年にオープン。この店舗の構成は、その後東京にできた『清澄白河フジマル醸造所』にも受け継がれています。もともとはワインショップとしてスタートした『FUJIMARU』。大阪『カタシモワイナリー』でのブドウ栽培や委託醸造を経て、『島之内フジマル醸造所』を設立。耕作放棄地でのブドウ栽培を自社で始めた後も、ブドウ買い取りの受け入れを続けるため2軒目となる『清澄白河フジマル醸造所』が2015年に設立されました。『清澄白河フジマル醸造所』は、主に東日本のブドウを受け入れるために設立されたワイナリーで、さまざまなワインカルチャーの中心的役割も果たしています。
 

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柔らかいも味わいのものから、かっちりとした味わいのものまで、4本をセレクト。土地やブドウと真摯に向き合う造り手の意志を感じるラインアップ。

ソムリエの資格も持つ醸造家の佐久間さんは、フランスのワイナリーで研鑽を積んだのち、『清澄白河フジマル醸造所』のオープン時からレストランマネージャーとして勤務。出産を機に2018年より醸造部へ異動、ワイン造りを手がけるようになりました。「ワインは色々な切り口があって、それぞれにしっかりと魅力があるから楽しい。このようなセレクト(自社以外のおすすめワイン)も選ぶ人の数だけあって、飲む人の数だけまた楽しみ方があるのがいいですよね。私はソムリエとして働いていた時期も、造り手としてワインに接する今でも、できる限りいろいろな方向性のワインを知るよう心がけています。今回選んだワインも柔らかい味わいのものからかっちりとしたものまでを4本選んでみました。飲む人の好みや場所に合わせてその時にぴったりの1本を選んでもらえると嬉しいです。表現の方法も造り手の方それぞれにありますが、そこに共通するのはその土地やブドウと真摯に向き合い、飲む人に明確に伝えようとする意志や工夫だと思います。そういうものを感じられるワインが私にはとても魅力的に映ります。ワイン醸造の際には感覚だけで造ることは不可能ですが、飲む人に届いてからは人それぞれの感覚に委ねるしかありません。だから難しいことは考えずに、楽しい、美味しい、その人それぞれ自由に感じとってもらえるといいですよね(佐久間さん)」。

写真左から:
エルマール アルバリーニョ 2022/16,610yen(税込)
2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ )/3,740yen(税込)
ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018/6,710yen(税込)
2021 メルロ ブラン・ド・ノワール/4,510yen(税込)

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佐久間さんおすす① 驚きと感動の、"飲む価値のある"白ワイン『エルマール アルバリーニョ 2022』。

「新潟ワインコーストのワイナリーの皆さまを訪問した際、砂質土壌を実際に見せていただき、とにかく驚きました。本当に海岸の砂のように柔らかくさらさらとしていて、改めてそれぞれの土地に個々の特徴があり、そこで人の経験や歴史を重ねてブドウ栽培やワイン造りはおこなわれているのだなと実感しました。そこでいただいたのがこの『El Marl』でした。口に広がるミネラル感と美しい酸と余韻。この場所、そして本多さん(※注)の徹底したワイン造りだからこそ表現できる味わいに大変感動したのを今でも覚えています。もちろん頻繁に飲むことができるワインではありません。ただ、飲む価値のあるワインだということは確かです(佐久間さん)」。
※本多さん:『フェルミエ』代表の醸造家、本多孝(ほんだたかし)氏

フェルミエ[新潟]
エルマール アルバリーニョ 2022/16,610yen(税込)

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佐久間さんおすすめ② イチゴシロップのようなふんわりとした果実味と酸。思わず笑みがこぼれるロゼワイン『2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ)』。

「ココ・ファームさんのワインは王道の味わいのも、そして"こことあるシリーズ"のような自然な味わいのものも、すべてそれぞれの品種の特徴をどう表現して飲む人に届けるかというのが明確で、毎度納得させられてしまいます。これはピノ・ノワール(Pinot Noir)をロゼにしたらこんな魅力があります!がしっかり詰まっている一本。イチゴシロップのようなふんわりとした果実味と酸のアタック。思わず笑みがこぼれるような柔らかさで最後まで楽しませてくれます。ロゼは比較的どんなお料理にも合わせやすいこともあり、こういうロゼに出会うと、たくさんの人におすすめしたくなってしまうんです(佐久間さん)」。

ココ・ファーム・ワイナリー[栃木]
2020 ぴのろぜ (こことあるシリーズ )/3,740yen(税込)

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佐久間さんおすすめ③ 日本のメルローの先入観を覆す、背筋の伸びるような完成度の赤ワイン『ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018』。

「私がソムリエとしてワインをお選びしていた時、日本のメルロー独特の青臭さのような特徴が苦手ですと言われることが多く、そんな時にこのワインをお出しすると、お客さまの今までの先入観が覆ることが多かったです。どの国のワインだとしても素晴らしいものは何も変わらず素晴らしく、それよりもどんな環境でどんな人がブドウと向き合って造ったかということがとても重要な要素のひとつだと、このようなワインに出会うたびに思います。私自身、普段飲むワインは柔らかい味わいのものが多いのですが、こういう背筋を正してくれるようなワインは定期的に飲むようにしていますし、自分のワイン造りのひとつの指標だとも思っています。バランス、熟成によって変化する味わい、すべてが本当に素晴らしい。この一本を選ぶにあたり、あらためて飲みましたが、香りから余韻まで全ての要素で造りが美しく、このワインのポテンシャルにあらためて驚かされました。少し落ち着かせてから飲んでいただくことをおすすめします!(佐久間さん)」。

ヴィラデストワイナリー[長野]
ヴィニュロンズリザーブ メルロー 2018/6,710yen(税込)

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佐久間さんおすすめ④ 品種の特徴+αの楽しさが詰まった、赤ブドウから造る白ワイン『2021 メルロ ブラン・ド・ノワール』。

「多田ワイナリーさんのワインは、どの品種もその品種の味わい+αな楽しさが詰まっているような気がしていてとても好きです。このメルロー(Merlot)はご存知の通り、赤ワイン用のメルローを白ワインとして仕上げる"Blanc de Noir(ブラン ド ノワール)"です。メルローの特徴を感じつつも、白ワインにすることで新鮮な要素が飛び出してきて、ただただ単純にとても楽しい。揮発酸系のニュアンスをすべて良い特徴に変えているようなバランス感も楽しく、ついつい私も"Blanc de Noirを"造りたいと考えたくらいです。リラックスしてわいわい楽しみながらで飲んでほしい一本です(佐久間さん)」。

多田ワイナリー[北海道]
2021 メルロ ブラン・ド・ノワール/4,510yen(税込)

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PROFILE
佐久間遥(さくまはるか)/清澄白河フジマル醸造所醸造責任者

別職種を経験後、レストラン業界へ。ソムリエとしての経験を経て渡仏し、地方のワイナリーを転々とした後、帰国して2014年に株式会社パピーユに入社。2015年の清澄白河フジマル醸造所オープン時よりレストランマネージャーに就任。出産を機に2018年より清澄白河フジマル醸造所醸造部に異動し、ワイン造りに携わっています。
 

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清澄白河フジマル醸造所
東京都江東区三好:株式会社パピーユ

清澄白河フジマル醸造所(きよすみしらかわふじまるじょうぞうしょ)は、大阪を拠点にブドウ栽培から醸造、卸売り、小売り、ネットショップ、レストランなど、さまざまな事業を展開する株式会社パピーユがフジマル醸造所の2軒目として東京に設立した都市型ワイナリー。2010年より、大阪府柏原市で耕作放棄地を中心にブドウ栽培をスタート。大阪「カタシモワイナリー」での委託醸造を経て、1軒目となる大阪「島之内フジマル醸造所」を2013年に設立。増え続ける耕作放棄地や農家からのブドウ買取依頼の受け入れを継続させるため、東日本を中心に新鮮なブドウを受け入れるネゴシアン型ワイナリー「清澄白河フジマル醸造所」を2015年にオープンさせました。1階はワイナリー、2階にはレストランを併設しています。レストランでは、日本の厳選素材を活かしたイタリアンベースの料理と、自社醸造の日本ワインをはじめ、国内外の200種類を超える個性溢れるワインを提供しています。ワイナリーでは、あくまでも食中酒として日本の食卓に寄り添うような味わいを目指しています。
 

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品種で選ぶと、日本ワインはもっと楽しい!
ブドウ品種別ガイド

ブドウ品種で選べば、日本ワインがもっと楽しくなる。日本固有種から欧州系品種まで、品種ガイドと、ワインエキスパートおすすめの銘柄を紹介します。

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日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド

日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した50以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。

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