すっかり人気が定着してきた日本のオレンジワイン。目新しさに加えて、美しいカラーと深い味わい、使い勝手のよさで、もはや定番の仲間入り!
最近ますます耳にする機会も多くなったオレンジワイン。日本ワインの中でもひときわ人気のカテゴリーとして、wa-syuでもますます人気です。より美味しく深くオレンジワインのことを知りたい……と、ワインを楽しむ達人でもある『BookRoad(ブックロード) ~葡蔵人~』の醸造家・須合美智子(すごうみちこ)さんを訪ねました。東京・下町の都市型ワイナリーで、自ら醸造したオレンジワインに合わせるメニューを提案してくれた須合さん。家庭でも作りやすい簡単なメニューと、オレンジワインとのペアリングのセンスはさすが! いろいろなタイプのオレンジワインに応用できるお役立ち料理は、ぜひ試してみたいものばかりです。
オレンジワインってどんなもの?その造り方とは? まずは『BookRoad』の2つのオレンジワイン、『醸し甲州』と『オレンジ デラウェア 2021』をテイスティング!
白ブドウを使って、赤ワインの製法のようなやり方で造るのがオレンジワインだ、と聞きますが、実際にどのような造り方なのか、須合さんに聞きました。「あくまで、ウチでのオレンジワインの造り方なのですが…。畑で収穫してきたブドウをすぐに絞らずにバラバラにして、種も皮も一緒に何日間か果汁と接触させておく時間を取って、それから絞ります。絞った後は、他の白ワインと同様にちょっと低めの温度で、発酵を進めていきます。種や皮を接触させておく時間の長さによって、味わいや渋みなどが変わるので、どんなオレンジワインにしようかなーという自分の中のイメージでだいだい決めます。翌日にはもうすぐに絞っちゃう、というときもありますし、4〜5日置いていることもあります。毎日果汁の状態を飲んで決めています」。日数が長ければ長いほど、渋みやオレンジ色は濃くなっていくといいます。「正解が何日、というよりも、それが好みであればいいと思うんです。ウチの場合は、造る自分がまずは好みかどうか。さらにみんなに飲んでいただきたいので、だいたいこれぐらいかなというのを考えて、漬け込みの期間は調整しています(須合さん)」。今回紹介していただいたのは、甲州ブドウとデラウェアを使ったオレンジワイン2本です。「グリ色と呼ばれる、紫のようなグレーのようなブドウの品種だと、オレンジ色が綺麗に出てくる気がしています。色の出方も重要だと思っていますので…。オレンジワインは、まずは色を楽しんでもらいたいというところもあると思うんです(須合さん) 」。
※左から1番目の画像はイメージです。「醸し甲州」は完売しました。
写真左から:
醸し甲州/SOLD OUT
オレンジ デラウェア 2021/3,630yen(税込)
ストライクゾーンが広いのがうれしいところ。醸造家の須合さん、料理担当の佐藤さんに聞いた、オレンジワインのペアリングのコツ。
「オレンジワインのペアリングの考え方は、白ワインか赤ワインかで言えば、白ワインの発想で考えるのが良いと思います。使っているブドウも白ワインになるブドウですし…。ただし、種や皮からの味わいが加わるので、スルッと入ってくるというよりは、少し引っかかりがあるようなイメージ。"通りすぎていかない味"が楽しいんじゃないかと思います。ある意味、ストライクゾーンが広いんじゃないかな、と思っていて。白ワインだったら、白っぽいものやさっぱりした食材と合わせがちになりますし、どうしても限定されてくる。あまり油っぽいものと白ワインを合わせよう、という気にはならないことも多いですよね。でも私の中のイメージですが、オレンジワインは揚げ物や中華とでも美味しく飲めると思うので、楽しむ機会が多いように思います。もっとも、私はオレンジワインも他のワインも、基本的に"何と飲んでもいい"と思っています。でも、"これと飲めばもっとおいしいよ"とか、"もっと楽しいよ"とか、そんな提案ができるワイナリーではありたいと思っています(須合さん/佐藤さん)」。
『醸し甲州』のおすすめペアリング① イカの肉詰め白ワイン煮/ラベルに描かれているイカを使った、見た目も豪華な一品
「この『醸し甲州』は、種と皮を4日ぐらい果汁に接触させています。イカを焼いたのと一緒に飲んだらすごく美味しかったので、ラベルにはイカを採用。あとはリリースした春頃には、ちょうど出回っていたタラの芽などの山菜の天ぷらと合わせたら、すごく美味しかったんです。そういったちょっと苦い食材に合わせると、ワインの渋みと相まってより味わい深くなります。ただし、天ぷらってラベルにするとわかりにくいので(笑) 、今回はオレンジ色も映えるイカの絵にしました。イカの肉詰めの白ワイン蒸しは、ひき肉と大葉、イカのゲソを刻んだものを混ぜてイカの身に詰め、白ワインで蒸し上げたもの。簡単だけれど見た目も豪華で、『醸し甲州』と合わせるとよりいっそう素材の味と香りが楽しめます(須合さん)」。
※画像はイメージです。「醸し甲州」は完売しました。
醸し甲州/SOLD OUT
『醸し甲州』のペアリング② 茄子とみょうがの煮浸し/夏野菜とささみの滋味深い味わいが、暑気にやられた体にうれしい!
『オレンジ デラウェア 2021』のペアリング① サーモンのコンフィ/ラベルに描かれたサーモンと。名前はおしゃれだけど造り方は超簡単!
「スキンコンタクトを3日くらいにして仕上げた、オレンジタイプのデラウェア。原料ブドウの1/3は、"青デラ"と呼ばれる酸っぱいぐらいの早摘みのデラウェア、それ以外は完熟のデラウェアを使っています。両方のブドウを入れたことで、完熟の香りもたっぷりだし、キュッとした酸味も楽しめるので、ちょっと冷やしてもおいしいオレンジワインになりました。ラベルにこのサーモンを載せたのは、サーモンのバター焼きを合わせたらすごく美味しかったからです。バターをちょっと使うようなお料理でも、美味しく飲めて美味しく食べられます。サーモンは、コンフィを合わせたペアリングもおすすめです。コンフィって名前はおしゃれっぽいけど実は簡単で、低温のオリーブオイルの中に塩をしてしばらく置いたサーモンを入れて、ハーブなども入れてコトコトと煮るだけ。オイルを沸騰させずにゆっくりと火を通すことで、柔らか〜い食感に仕上がります。アボカドを添えて、色味と濃厚な味わいをプラス。オレンジデラウェアの酸味とマッチして、美味しく楽しめます(須合さん)」。
『オレンジ デラウェア 2021』のペアリング② 豚唐揚げのサラダ南蛮/こってり唐揚げとさっぱりとした酸味が、ワインのキュッとした酸味とベストマッチ!
「オレンジワインの特徴として、ベースとしては白ワインの使い方だと思うのですが、お肉も豚ぐらいまでは美味しく合わせられるかなと……。牛肉まで行くんだったら、もうちょっとしっかりとした赤いワインを飲みたくなるところですが、豚肉だったら、オレンジワインで美味しく飲んで食べられると思っています(須合さん)」。今回のヴィンテージの『オレンジ デラウェア』には、早摘みブドウの酸味もしっかりあるので、付け合わせのサラダ南蛮にもちょっと酸味が欲しいと、須合さんは調理担当の後藤さんにリクエストを出したそう。「唐揚げの下のサラダ南蛮も主役級。カイワレやキュウリなど、わざわざ調達しなくても手に入りやすい、おうちにありそうな野菜でつくってもらいました。南蛮の味付けは、お酢とお醤油、お砂糖を混ぜたドレッシングを混ぜて和えておくだけ。ちなみにお弁当にもいいと思います!(須合さん)」。
オレンジワインの選び方とは? 最近ますます充実しているオレンジワインのラインアップから、須合さん流の飲みすすめ方について聞きました。
「wa-syuのサイトには、日本中のたくさんのワイナリーから、たくさんの商品が集まってきているので、みんなどれを買えばいいのか迷ってしまうんだろうなとは思うのですが…。ぜひ、いちばん最初に、"BookRoadのワインを飲んでみたいな"と思って欲しいです(笑)。それで一つつ飲んだら、また別のはどんな感じなのかなと思って、違いを感じて欲しいです。例えばまず最初にBookRoadのオレンジワインを飲んだとしたら、他のワイナリーのはどんな味かな、他の銘柄はどんな味かな、他のブドウ品種はどうかな……というふうに、広げていってもらえると嬉しいです。ブドウ品種が違えば味も違いますし、同じ品種でも、造り手が違えば全く違ったりします。全部のワイナリーを本当に巡ろうとしたら大変だけれど、wa-syuではサイトから一度に見られてすごくいいと思うんです。ぜひ、日本ワインをたっぷり楽しんでください!(須合さん)」。
※左から1番目の画像はイメージです。「醸し甲州」は完売しました。
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醸し甲州/SOLD OUT
オレンジ デラウェア 2021/3,630yen(税込)
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wa-syuからのおすすめは、まずは品種別に飲んでみること。甲州ブドウを使ったオレンジワインはこちら!
まずは、日本固有種の代表格・甲州ブドウから造ったオレンジワインがおすすめです。実は日本でも、古くからオレンジワインを造る"醸し"の技法は取り入れられていました。今の日本ワインを知るにはぴったりです。『BookRoad ~葡蔵人~』のイカラベルが印象的な『醸し甲州』をはじめ、wa-syuと『ドメーヌヒデ』とのコラボレーションで生まれた"世界初のワイン用陶器の壺"を使ったオレンジワイン、wa-syuオリジナルラベルの人気銘柄『ドメーヌレゾン』の受賞ワイン、各方面から絶賛されており人気のワイン漫画『神の雫』でも登場した『ココ・ファーム・ワイナリー』の名作など、多彩なラインアップが揃います。
※左から1番目の画像はイメージです。「醸し甲州」は完売しました。
※左から2番目の画像はイメージです。2021ヴィンテージは完売しました。現在の取り扱いは、2022ヴィンテージです。
※左から3番目の画像はイメージです。2019ヴィンテージは完売しました。現在の取り扱いは、2022ヴィンテージ(甲州100%)です。
※左から4番目の画像はイメージです。2019ヴィンテージは完売しました。現在の取り扱いは、2020ヴィンテージです。
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醸し甲州/SOLD OUT
【ドメーヌヒデ×wa-syu】壺仕立て オレンジ 甲州 2021/SOLD OUT
【ドメーヌヒデ×wa-syu】壺仕立て オレンジ 甲州 2022/7,920yen(税込)
【ドメーヌレゾン×wa-syu】オレンジワイン 2019/SOLD OUT
【ドメーヌレゾン×wa-syu】オレンジワイン 2022/2,530yen(税込)
甲州 F.O.S. 2019/SOLD OUT
2020 甲州F.O.S./4,180yen(税込)
デラウェアから造ったオレンジワインが多いのも、日本ワインならではの傾向。馴染み深い定番品種だけに、ワイナリーごとの工夫が光る!
生食用ブドウの生産量が多く、そのワインへの転用も多いのは日本ワインの特長のひとつ。デラウェアはテーブルグレープとしても、ワイン用としても、馴染み深いものになってきています。そんなデラウェアだけに、それぞれのワイナリーの個性が楽しめるのも面白いところ。日本人の口に合うように繊細に仕上げた『楠わいなりー』、早摘みと完熟のデラウェアの両方をいいとこ取りで使った『BookRoad ~葡蔵人~』、農薬無散布のブドウを足踏みで絞った『イエローマジックワイナリー』、抜栓後2週間は楽しめる奥深い味わいの『Fattoria AL FIORE(ファットリア アルフィオーレ)』など、ぜひ飲み比べて試してみて欲しい逸品ぞろいです。
※左から1番目の画像はイメージです。2021ヴィンテージは完売しました。現在の取り扱いは、2022ヴィンテージです。
※左から4番目の画像はイメージです。2020ヴィンテージは完売しました。現在の取り扱いは、2021ヴィンテージです。
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デラウェア・オレンジ 2021/SOLD OUT
デラウェア オレンジ 2022/2,860yen(税込)
オレンジ デラウェア 2021/3,630yen(税込)
ASHID DELA 2021/3,520yen(税込)
Arancia 2020/SOLD OUT
Arancia 2021/5,280yen(税込)
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食べ物は"自分自身を造るもの"。お腹が膨れればいい、というわけではなく、なるべく美味しいもので自分自身を構成しておきたい。
「ふだんお料理は、できるかぎり自分で作るようにしています。自分で作ると、自然と"自分が食べたくない料理"にはならないと思うんです」と語る須合さん。ちゃんと美味しいもの、食べたいと思うもので自分自身を構成しておきたい、という哲学が垣間見えます。今の夢は、ワインを持って海外に行くこと、という須合さん。海外のアワードで賞を取りたい、ということかと思いきや……。「海外に自分のワインを持って行って、自分で飲みたいんです(笑)。ゆっくり飲んでいると、現地の人とかが隣に座って、何飲んでるの?と聞いてくる(笑)。それで、これは私が造ったワインなの、って答えて、そして一緒に飲みましょうって言いたいんです。でも、話しかけられても何を言っているかわからないので、まずは、英語の練習をしなきゃいけないんですけど(笑)」。もうひとつの夢は、ブドウからの東京産のワインを造ることだそう。「今、東京・八王子で自社畑を始めて、ピノ・グリを植えたので、これでオレンジワインを造れたらいいな、と思っています。木はまだ赤ちゃんでひょろひょろしていますが、4〜5年先には収穫できるようになるかなと思っていて。それが楽しみですね(須合さん)」。
BookRoad ~葡蔵人~
東京都台東区台東:(有)K' project
BookRoad(ブックロード) ~葡蔵人~は、2017年、東京台東区で設立された都市型ワイナリー。"葡萄と蔵と人が目に見えない道で繋がり、共に繁栄するという願いを込めて。ワインをより身近に感じ、ワインが繋ぐ縁を大切にしたい。"その想いから、ワイン造りをスタートしました。ブックロードのワインは山梨県や長野県の契約農家で育った国産葡萄100%の日本ワインです。食材やイメージなど、そのワインのペアリングをデザインに落とし込んだラベルが特徴です。
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