初入荷!奈良県初の醸造所が生み出す、自然酵母発酵の希少な銘柄!木谷ワイン

異色の経歴を持つ栽培&醸造家が、地元・奈良県の風土を表現。スタイリッシュさと素朴さを併せ持つ、自然酵母発酵ワインを発信する奈良県香芝(かしば)市『木谷ワイン』。

奈良県内でワイン用ブドウを生産、純奈良県産ワインを生み出すことを目指して。県内初のワイナリーとして、2022年に醸造スタート。

奈良県で初のワイナリー、『木谷ワイン』の代表・木谷一登(きたにかずと)さんは、2018年1月にワイン用ブドウ農家として独立。委託醸造によるリリースを経て、2022年9月に醸造免許を取得したばかりの、話題の醸造家です。それまで、奈良県ではブドウを栽培する農家はたくさんありましたが、ワイナリーは皆無。木谷さんは"奈良のブドウを、奈良でワインに"をコンセプトに、ALL県内産のワインを造ることを目指してブドウ畑を整備し、徐々に収量を増やしてきました。距離的に近い大阪エリアでも既存のブドウ園を借り受け、デラウェアなどの生産をおこなっています。そのこだわりの味わいとモノ造りの姿勢には、関西圏を中心にすでに多くのファンが。今年は自園で栽培したブドウを100%使った、ドメーヌスタイルのナチュラルワインも2銘柄リリースしています。

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異色の経歴からの、ワイナリー設立まで。オリジナリティーのある職人的なモノ造りに、やりがいを見出して。

現在家族の協力のもと、メインで栽培から醸造、営業まで全てをこなしている木谷さん。地元の奈良から京都大学に進学、大学院まで進んだ経歴を持っています。「大学院では、糖尿病予防の研究をしていました。医学部ではなかったのですが、教授はお医者さんで、運動とか食事で予防していこうという研究。醸造とは関係ないんですけども、食事とか健康とか運動というところが元々好きだったので、専門分野としてはちょっと違いますが、興味の範囲は、近かったのかなと思います(木谷さん)」。大学院卒業後は、銀行に就職したという木谷さん。「銀行の取引先に、大阪の『カタシモワイナリー』などがあり、見学に行ったんです。初めて『カタシモワイナリー』に行った時のことを覚えているのですが、頭上に甲州のまだ小さい房があって、しかもかなりの面積で栽培をされていて。"こんな近くで、こんなふうにワインが造られているんだな"ということに驚いて、そのころから自分でもやってみたいな、と考えるようになりました(木谷さん)」。

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実は銀行に行きながら、自分には向いていない環境だな、と思っていたという木谷さん。「ちょっと人生を迷ったような感覚がありました。次に仕事をするなら、一生できる仕事を、手に職をつけて、と考えていたんです。ものづくりに携わりたくなったんですね。また、僕自身は大学時代にブレイクダンスをしていて、即興でダンスを踊ったりするのが好きだったんです。あんまりそうは見えないってよく言われるんですが(笑)。でもワインも案外、そこと通ずるところがあると思っていて。毎年変わってくるところや、天候に対して自分がどうアプローチするかなど、自己表現の部分で共通する感覚があります。結局、テロワールや自分の住んできた土地、自分の思想が全て反映されるものがワインなのだと思いますし、そこにちょっとアート性というか、そういうのも見いだしています」。

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原料となるブドウの質にとことんこだわって。奈良と大阪の自社畑では、除草剤はもちろん、草生栽培、無化学肥料で栽培。

銀行を辞めたあと、『カタシモワイナリー』で2年ほど研修をしたのち、2018年に独立してブドウ栽培をスタートさせた木谷さん。「自分で畑を借りられるところを見つけてきて、そこからはカタシモさんに委託醸造をお願いして、ワインを造らせてもらっていました。今も大阪・柏原市には少しだけ畑があります。今はまだ、25%ぐらいが自園のブドウで、75%ぐらいが買い入れたブドウでワインを造っています。畑は奈良と大阪にあり、奈良のほうの畑は、同じ県内ではありますがワイナリーとは少し離れていて。そこではモンドブリエとかピノ・ノワールを栽培しています。大阪の畑はデラウェアが多いのですが、県境をまたいだらすぐなので、奈良の畑よりも近いんです(木谷さん)」。

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「大阪のほうは、二上山(にじょうざん)という、火山灰の土壌なので、凄く水はけの良い場所。そこで採れるデラウェアは、凝縮感があってとてもおいしいと思います。奈良の方はわりと硬い粘土で水持ちがいいので、ちょっと栽培に苦労するところもありますが、土でいうとどちらも悪くはないとは思うんです。ただ、温暖な西日本ならではの苦労もあって、いろいろと試行錯誤しています(木谷さん)」。栽培は除草剤や化学肥料は一切使わず、農薬に関しても、ボルドー液と石灰硫黄合剤を必要最低限使用するのみです。

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レシピがないから面白い。自然酵母での発酵、無濾過。亜硫酸塩も極力使用しない、こだわりの醸造。

醸造は、乾燥酵母は使わず、自然酵母で発酵させているという木谷さん。「乾燥酵母は僕と相性悪いのかな(笑)、自然酵母を使うワインの方が、自分で造ってみておいしいなと思うことが多いので、自然酵母を使っています。ちゃんとしたレシピがあるというよりは、いろいろと菌が動いてワインができていく。そういったところが面白みのひとつだと思っているので…。亜硫酸に関しても、使わなくてもちゃんとおいしいワインを造っている人はいる。そういった、教科書にはない部分はどうなってるんだろう、っていうところがすごく気になるので、自分でも亜硫酸塩は極力使わずに醸造してみています。僕は科学の最先端は、畑や自然酵母に存在する、と思っているところがあるので、そこに身を置いて学びつつモノをつくっていく、っていうのがやりがいのひとつでもあるんです(木谷さん)」。

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醸造家の想いを詰め込んだワイナリーのロゴマーク。グラフィックに顕されているのは3つの要素。

「ロゴマークは、根っこが3方向から中心に向かって伸びてくるさまをモチーフにしています。3本の根っこは、"3つの事柄"。例えば、物理・化学・生物の3つの要素があって、それぞれが枝分かれしながら、真ん中に向かっていく、といった様子です。生物だったら、微生物とか昆虫とか、いろいろな要素が派生して枝分かれしていくと思いますし、物理でも化学でも同じように枝分かれしていって細分化していく。その3つが、真ん中の方でごちゃごちゃっとなって融合していく。その真ん中の部分が面白いと思いますし、それこそが、"土の中"だと思うんです。他にも、3つの要素が合わさると面白いことが起こりますよね。例えば、自分がいて相手がいてお酒があって、その3者が交わることで、面白いことが始まるとか。そういったことを表現したくて、このロゴマークにしています(木谷さん)」。

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栽培醸造家・木谷さんに、こだわりとペアリングを聞きました。鹿のラベルがキュートなシリーズ!

奈良らしい鹿のラベルは、花札の"鹿に紅葉"をイメージ。紅葉の部分がブドウになっています。このブドウも、奈良らしく「正倉院裂」にある葡萄唐草文をデザインしたもの。

写真左から:
巨峰 2022/3,740yen(税込)
「巨峰に、5%ほどケルナーが入っています。完全発酵を終えてから果汁で補糖をしようとしたときに、ケルナーの果汁がたまたまあったので、それを入れてお砂糖を入れない形で造りました。瓶内二次発酵でデゴルジュマンなし。これはちょっとペアリングが難しいんですが、『ファンタグレープ』っぽいニュアンスという感じでしょうか。ペアリングとしては、家庭ではあまりやらないかもしれませんが、柿を使った料理とか。そのままフルーツと合わせてもいいかもしれないですね(木谷さん)」。
奈良ワインヌーボー 2022/3,740yen(税込)
「デラウェア100%。和食全般に寄り添うようなワインかなと思っていますが、お鍋、特に水炊きとかポン酢とかで食べるような、あっさりしたお鍋とかに合わせていただきたいなと思っています。リリース時期がちょうど、ボジョレーヌーボーと同じ、冬に差し掛かる時期だったので、暖かいお鍋とのペアリングを提案していました(木谷さん)」。

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二本杉農園シリーズの、赤、白は、気軽なテーブルワインとしてもおすすめ!

写真左から:
二本杉農園 赤 2022/6,710yen(税込)
「二本杉農園さんは地元が奈良県宇陀市榛原なんですが、そちらの方でもマスカット・ベーリーAとメルローを植えられて。去年初めて収穫できました、っていうので持ち込んでいただきました。畑は台地になっていて、水はけの良い砂地なので、すごくクオリティの高いブドウが収穫できるんです。これは結構味わいの強い、本当に赤ワインらしい赤ワインなので、ペアリングは牛のステーキがおすすめですが、そこまで強くない、鶏肉などでも合うと思います(木谷さん)」。
二本杉農園 白 2022/3,740yen(税込)
「二本杉農園さんていうのは、70歳からブドウ栽培を開始された農園。白は大阪産のデラウェアで、私のように大阪でブドウ畑を借りて作られています。デラウェアは酢飯と相性がいいので、コハダとか芽ネギのお寿司はどうかな、と思っています(木谷さん)」。

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まるでリンゴのヨーグルトのような柔らかさ、和菓子とのペアリングも!飲み比べたい、個性際立つ自然酵母発酵の4銘柄。

写真左から:
ブラン 2022/6,710yen(税込)
「シャルドネ主体で、マスカット・オブ・アレキサンドリアをブレンド。アレキサンドリアは、ブレンド比率としてはそれほど多くないのですが、結構しっかりと華やかな香りが出ています。これは八角のような、強すぎないスパイスを使った料理との相性がいいです。アロマティックな品種が立っているワインなので、そういう香りのあるお料理と合わせるのが美味しいかなと思います(木谷さん)」。
プチカリンド ロゼ 2022/3,960yen(税込)
「農家さんの畑のフィールドブレンドで、キャンベル・アーリー、マスカット・ベーリーA、紅瑞宝、巨峰、藤稔を使用したロゼワイン。名前の由来としては、雁多尾畑(かりんどおばた)っていう大阪・柏原市の地名で、ここのブドウを使っています。去年までは同じ柏原市内の『天使の羽ワイナリー』で仕込んでいたので、「プチカリンドオバタ」っていう名前でリリースしていたのですが、奈良の自ワイナリーで醸造することになったので地名が書けなくなって、"カリンド"まで止めています。ローストビーフはとても合うと思いますが、この間は、イチゴのソースでイノシシのプレッセをいただいたんです。キャンベル・アーリーのイチゴっぽいニュアンスとイチゴのソースがマッチして、すごく美味しかったです(木谷さん)」。
ソーヴィニヨンブラン 2022/5,720yen(税込)
「島根県産のソーヴィニヨン・ブランを使用し、新樽で3カ月程度熟成をかけた白ワインです。ソーヴィニヨン・ブランって、本来は"酸のあるキリッとした味わいで、ツゲとかグレープフルーツ香"っていうのが特徴だと思うんですが、このワインは酸が高いわけでもなく、アルコールを高めているわけでもなく、すごく緩くてふんわりとまとまっているというか。香りは"リンゴヨーグルト"みたいな、すごく柔らかい味わいです。さつまいもとリンゴのポタージュなど、濃すぎないクリーム系の料理との相性が良いのと、春のお野菜と合うな、というふうに思いました。野菜の香りや苦みを、うまく引き立たせるワインだと思います(木谷さん)」。
ロゼ 2022/6,710yen(税込)
「すごく個人的に面白いなと思っているワインです。メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンを混醸していますが、アルコール度数も9.3%しかなくて。新樽を3カ月しか当ててないんですが、果実味と樽の感じとアルコールの低さで、すごく飲み心地がよくてバランスのよいワインになっています。ハムや豚の生姜焼きが合うと思うんですが、樽由来の和菓子のようなニュアンスも感じられます。和菓子に合わせていただいたりするのもおすすめです(木谷さん)」。

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化学肥料、化学農薬を一切使わないドメーヌのオレンジワインや、酸化防止剤無添加のワインも、クールなラベルで。

全て自園のブドウを使ったドメーヌワインも登場。木谷ワインのロゴをモチーフにアーティストが描いたラベルは、ナチュラルな造りのものなどに使う特別なもの。自然派ワインの味わいが好きな人に届くようにという想いがこもっています。

写真左から:
パストゥグラン 2022/4,840yen(税込)
「北海道・余市産の、ピノ・ノワールとツヴァイゲルトレーべを全房発酵で仕込んでいます。酸化防止剤無添加。特徴としては、ポジティブな面でいうと香りや味わいの要素が強くて、たくさんの味が感じられるところです。ただ、ちょっと醸造のところで揮発酸、特に酢酸エチルが出ています。飲むときにちょっと多めにスワリングし、飲みやすくしてから飲んでいただくのがいいかなと思いますが、この味わいが好きだと気に入って下さる人も多いワインです。ペアリングは鴨鍋とか焼き鳥とかさつまいも。特に焼き鳥に合うんじゃないかなと思います(木谷さん)」。
ドメーヌキタニ オレンジ 2022/SOLD OUT
「自園での栽培ブドウだから実現した、化学的な農薬、肥料を一切使わない、いわゆる「Sans chimie(サンシミ)」のワインです。羽曳野にある自園のデラウェアに加えて、デラウェアに接ぎ木をしてちょっとだけ育てているネッビオーロやタナ、生食用にしようと思って植えていたシャインマスカットなどをすべて混醸。・・・結局、シャインマスカットも面倒くさくなって全部種ありで作ったんですが・・・。タナやネッビオーロが多少入ってるので、オレンジ色だけど若干赤みを帯びています。皮との接触時間が長いこともあって、舌で感じる味の要素が多くあるかなと思います。ずっと嗅いでいたくなるような、クセのある味わい。オレンジのデラウェアだと、一般的にはゴボウとかが合うと思うんですが、やっぱりデラウェアはお寿司に合うので、これもお寿司と合わせてもらえるとおいしいかなと思っています(木谷さん)」。

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木谷ワイン

[名称]木谷ワイン/木谷一登
[住所]奈良県香芝市下田西3-219-1

[概要]奈良県香芝市出身の代表、木谷一登(きたにかずと)氏が「生まれ育った奈良の風土をワインという形に表現したい。そうしてできたワインを、奈良を愛する人に味わっていただきたい」という想いから2022年に設立した、奈良県初のワイナリー。京都大学大学院を卒業後、銀行に就職した木谷氏は、当時取引先だった大阪府柏原市の「カタシモワイナリー」のワイン造りを見たのをきっかけに一念発起。2016年より「カタシモワイナリー」でワイン用ブドウ栽培・ワイン醸造の研修を受け、2018年1月、"純奈良県産ワイン"を造るため、ワイン用ブドウ農家として独立。奈良県天理市の耕作放棄地を開墾、苗植えを開始し、2022年9月に醸造免許を取得しました。原料となるブドウの質にこだわり、大阪と奈良に有する自社畑では、除草剤を用いない草生栽培、減農薬、無化学肥料で栽培。醸造では、野生酵母で亜硫酸を極力使用しないワイン造りをおこなっています。日々、奈良の風土を表現してくれる品種や栽培方法を追究し、奈良の魅力を発信するモノ造りを目指しています。

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日本ワインで、日本をもっと深く知る。
エリア別ワイナリーガイド

日本の感性と職人技を生かした名品が次々と誕生し、国内外の食通を惹きつけながら、進化し続ける日本ワイン。南北に長い日本列島の各地で栽培・収穫されたブドウのみを使用し、日本国内で製造された「日本ワイン」は、その地域の気候や品種によって性質もさまざまで、そのため多様性に富んだ味わいが特徴です。北は北海道、南は九州・沖縄まで。日本全国より、wa-syuが厳選した40以上のワイナリーをエリア別ガイドでご紹介します。

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